森博嗣の短編を連続して読んでます。今回は「今夜はパラシュート博物館へ」です。
この方の短編集を読んでいるといつも思うことだが、やっぱり短編のほうがレベルが高い。読む人が(いい意味で)苦労する作品が混ざっているからだ。
長編だと、一応の解答を提示してくれる。それがミステリというものだからだ。ただし、これまで読んだ十余の長編のなかにはその例外、つまりより深い問題が課され、それについて一切言及がないというものもあるが。
一方短編では、気楽に読める作品もいくつかある一方で、どこがオチなのか考えてしまうような作品が多い。著者が作中で、何か不思議なことがなければならない、という先入観を捨てて推理せよと言っているように、私たちも「どこかにオチがなければならない」という先入観を捨てなければならないのだろうか。
次からまた長編が続くのでサクサク読んでいきますよー。