「詩的私的ジャック」/森博嗣

 森博嗣の「詩的私的ジャック」。昨日実家から帰ってくる途中に読んでました。それだけでほとんど読みきってしまって最後ちょっとを読んで今日読了。

 ミステリは感想文が書きにくい! 講評や解説なら書けるかもしれないんだろうけど。ここで感動したとか、名言に線引いたりってことがないからだろうなぁ。
 今回はN大学が良く出てきた。他の私立は何処がモデルか知らないけど、星が丘ボウルとか出てくると親近感です。さらに、工学、建築といった森博嗣節が炸裂していて、多分コンクリートとか建築とか勉強している人には垂涎モノだったのではとか思ったりする。僕とは無縁の世界だからよく分からないけど。
 そんな理系的な森博嗣の作品の中には「真理」を問うような部分がよくある。例えば「夢と希望は何処が違うと思う?」ってね。真理を突くというのは、あたかも文学的なもので難解であることが多いが、実は数学や物理は非常に純粋で単純な真理であり、森博嗣の真理の突き方は文学部の人が書く文章にはない、非常に数学的なもののように思える。そういう数学的で文学的な部分を垣間見ると、森博嗣の作品がただのミステリにとどまらない理由に繋がるような気がする。
 ――ああ、ここまで書いたら残りの感想文で書くことなくなっちゃうぞ(汗

 実家からあと2冊持ってきたから、まだまだ森博嗣が続きそうです。いやー、自腹切らなくていいのは非常にうれしいなぁ。