パワポより手書き

仕事をし始めるようになって――厳密には、開発から異動してから――、業務時間のほとんどをパソコンの前で過ごしてしまうようになった。
この仕事のやり方には、2つの問題がある。

一つは運動不足。開発のときはよく歩いていて一万歩歩かない日はなかったぐらいだが、
最近は一日6,000歩がいいところ。これでは健康にはならない。

そしてもう一つが、思考が鈍る、ということ。
すべての資料をパワポで作り、表計算とグラフはExcelで作り、という風になってしまうが、
学生のころから、思考は紙の上と相場が決まっている。

Excelだと、フォーマットさえあれば、
数字を入れると勝手にいろいろな計算をしてくれるようにすることもできるが、
その結果、「計算の意味が分かっていない」まま仕事をする人が増えて、
本質を見抜けなくなる、というようなことが起こってしまう。大きな問題だ。

また、紙に書きながら仕事をすると、思った以上にいろいろなことが思いつき、
「あ、このことのついでに、これも考慮しなくちゃいけないな」と、
近くに留意事項がすぐにメモれる。PPTではまた新しくテキスト枠を準備しなくてはいけない。

思いついたことを、間髪置かずに書き込むことができ、
頭を回転させながらまとめていける紙をつかった仕事というのは、
あらためて見直されてもいいんじゃないか、と思う。