1か89に収束?(その2)~ドラマ「デート」より

前回に引き続き、
ドラマ「デート」で出てきた数字遊びについて、証明しておきましょう。

<STEP2>
1から89の89個の数が、すべて1か89になることを示そう。

13と31が操作後に同じ数字になるように、1の位と10の位が入れ替わった形の数は省略してよいので、考えなければならない数字は、

1,2,3,4,5,6,7,8,9,
11,12,13,14,15,16,17,18,19,
22,23,24,25,26,27,28,29,
33,34,35,36,37,38,39,
44,45,46,47,48,49,
55,56,57,58,59,
66,67,68,69,
77,78,79,
88

の51個である。

ここから先は、すべて書き出すだけである。

まず、冒頭で見た89サイクル
  89 → 145 → 42 → 20 → 4 → 16 → 37 → 58 → 89
の中の数字は先に消そう。実質考える数は44個である。

1,3,5,6,7,8,9,
11,12,13,14,15,17,18,19,
22,23,25,26,27,28,29,
33,34,35,36,38,39,
44,45,46,47,48,49,
55,56,57,59,
66,67,68,69,
77,78,79,
88

次に、
・一度出た数は順に消していく
・2桁の整数になった時には、10の位の方が小さい数字になるように置き換えて、考える。
 (たとえば、計算結果で62となったら、これは26と同じと考える)
として、1桁の数を見てみよう。

1 → 1(1で終了)
3 → 9 → 81=18 → 65=56 → 61=16(89サイクル)
5 → 25 → 29 → 85=58(89サイクル)
6 → 36 → 45 → 41=14 → 17 → 50=5(5の流れに収束、89サイクルへ)
7 → 49 → 97=79 → 130=13 → 10 → 1(1で終了)
8 → 64=46 → 52=25(5の流れの中で登場、89サイクルへ)
9(3の流れに収束、89サイクルへ)

となり、すべて1か89に収束することが示された。

ここで登場した数を消すと、

11,12,15,19,
22,23,24,26,27,28
33,34,35,38,39,
44,47,48,
55,57,59,
66,67,68,69,
77,78,
88,

の28個である。
ここにある数字について、操作後、この一覧にない数字(すでに証明を完了している数)になったら89サイクルか、1に収束すると考えてよい。
(逆に言うと、証明失敗となるのは(反例は)、ある数字がここにある数字の中で89サイクル以外のサイクルを作る場合である。)

11 → 2
12 → 5
15 → 26→40=4
19 → 82=28→68→100 =1

さらに消して、

22,23,24,27,
33,34,35,38,39,
44,47,48,
55,57,59,
66,67,68,69,
77,78,
88,

22 → 8
23 → 13
24 → 20=2
27 → 53

はいずれもここにない数字(すでに証明を完了している数)なので、証明終了。

33 → 18
34 → 25
35 → 34(上の流れにそって収束)
38 → 73
39 → 90=9

もいずれもここにない数字(すでに証明を完了している数)なので、証明終了。

最後にまとめて残りを証明すると、

44 → 32
47 → 65
48 → 80=8

55 → 50=5
57 → 74
59 → 106=16

66 → 64
67 → 85
68 → 100=1
69 → 117 → 51

77 → 98=89
78 → 113 → 11
88 → 128 → 69(上で証明済み)

はいずれもこのリストにない数字(すでに証明を完了している数)なので、証明終了。

以上により、89以下のすべての数字は、89サイクルに属していることが分かった。

さて、当初与えられた「各桁の二乗和を取る」という操作を繰り返すことにより、
<STEP1>すべての89以上の数字は89以下に収束する
<STEP2>89以下のすべての数字は89サイクルか、1に収束する
ことが証明されたので、冒頭の「各桁の二乗和を取り続けると、最終的に89か1になる」が証明された。

お疲れさまでした。