「夜の国のクーパー」/伊坂幸太郎

伊坂幸太郎の長編。
舞台は、文明がまだあまり発達していない時代の、どこともよくわからない小さな国。
そこで起こっている出来事が、猫の視点で描かれる。

伊坂作品によくあるが、
ある出来事が現実の何かを揶揄しているということが今回は多い。
ただ、それを人間の主人公が株や現実社会に置き換えて説明しているのは、
いささか滑稽な感じもするが。

また、鼠と猫とのやり取りが、
同じようにこの小さな国と隣の大きな国との関係と同じようになっていたという、
これもうまいこと仕組まれているなあと思うところである。

ただ、とても面白いんだけど、全体的にまとまり感が薄い。
伊坂作品にしては珍しいんだけれども。

最後の最後に、「そういうオチ!?」と突っ込みをいれてしまったことを、
ここに書いておこう。