「天地明察」/冲方丁

ジャンル分け上では、時代小説ということになっているけれど、
全然そんなことはなくて、地球の真理と向き合う一人の物語だった。

何度か失敗をするのだが、その結果「失敗もまた大事」という、理学の中でもっとも大事な哲学を得る主人公。
そのあたりがしっかり描かれているところが感動する。
数学や天文学が、こういった地道な努力や積み重ねから紡ぎだされていっていることに、改めて感動した。
数学好きだからなおさらだったのかも。

作者が理系なのかどうかはわからないけど、理系じゃないなら、
こんなに理系の人の精神を理解してそれを表現できるなんて、やっぱり作家ってすごいんだなあ、と。

本当におすすめの作品。