「虎と月」/柳広司

 誰もが高校で学ぶであろう、中島敦の「山月記」という作品をモチーフにした作品。 あとがきには、作者が山月記が好きで好きでたまらなくて、想像力というか妄想を広げていった結果このような作品が出来上がったとある。
 ストーリーとしては虎になった李徴の子供が、何故父親は虎になったのかということを確かめに旅に出る、という話だが、もう少し漢文の知識がある人が読んだ方が面白いに決まっている。実際話のオチも漢文の知識でできているという完成度。