「φは壊れたね」/森博嗣

 Gシリーズの第1作が文庫化されたので、読みました。

 今回もまた変な名前のキャラクターが登場しつつ、S&M、Vシリーズに続いて萌絵ちゃんも登場。今回は萌絵がD2ということで、一番新しい時系列の作品みたいです。

 とりあえず、海月くんが重要キャラクターみたいなのですが、今回の事件はあっさりしたミステリ。不思議なところもあまりなく、常日頃森博嗣作品に悩まされている読者にとっては楽チンな作品でした。
 いや、楽チンな作品ほど「何か裏があるのでは」と思ってしまうのが森博嗣ファンだとは思うけど。

 今回の謎はタイトルの「φは壊れたね」。このあともタイトルにギリシャ文字が続くGシリーズだけど、ギリシャ文字って一般の人にはほとんど知られてないと思うんだ。高校生でも、せいぜいα、β、γぐらいで、ξとかηとかζになってくると、意味が分からないのでは。理系大学生の特権ですね。
 今回のφがどんな意味を持つのか、この作品では何も分かりません。続きのシリーズでどうなるかがポイントですな。