美術館

代休を使って月曜の休みをもらったので、文化人ぶって美術館なんぞに行ってみた。

国立新美術館で開催中の「オルセー美術館展2010」です。六本木なんて1年ぶりぐらいだ。

今回はポスト印象派という副題が付いているだけあって、
華やかだったり、美しさだったり、難しい解釈をしなくとも、単純に楽しめる絵が多いのが特徴です。

これは!と思った絵がいくつかあって、リーフレットをもとにタイトルを書いてみると、
・ゴッホ「星降る夜」
 現物は、美しすぎる。本当に奥行きのある黒藍色と、星とガス灯のあかり。
・ゴッホ「レストラン・ド・ラ・シレーヌ」
 おしゃれでかわいらしさのある通りの様子。
・モロー「オルフェウス」
 もはや絵じゃない、美しい描画。すげえ!!
・ヴァロットン「ボール」
 日向と陰。シンプルだが、忘れていたような純朴さがあったり。

うわあ、ちょっと美術館はまりそうや!

「踊る大走査線 THE MOVIE 3」

レイトショーで行ってきた。
感想は、まあ普通?

多分、ファンだったらとても喜ぶような作品になっていたんだと思うんですよ。
昔からのメンバーに会えて、ドタバタコメディといった昔のノリもそのままあって、
で織田裕二がかっこいい、というね。

でもまあ、逆にいうと客観的に映画としては、まあとっても並みな気がしました。
もはや続編を作ることが大事であって、その中身をとやかくいう必要はないと思うのでいいんですが。

「Another」/綾辻行人

綾辻ホラー。
有名なはずなのに、一度も読んだことがなかったので、読んでみた。
めちゃくちゃ分厚かったんですが、かなり読みやすいタッチだったと思います。

呪われた学園もの。毎年そのクラスの関係者が次々と死を遂げる。
その呪いを解こうとするのだが…

ネタ晴らしはせえへんけど、この終わらせ方の致命的な問題は「“今年”しか解決してないやん!」というところ。来年はまた呪いが復活するんちゃうの?

あくまで娯楽ホラー。

オランダ尽くし!

昼間にテレビで「池上彰のニュース」で、オランダの特集してると思ったら、
夜の「世界!ふしぎ発見」もオランダ特集だった。

もうすぐW杯、同じ予選グループのオランダ戦もあるということで、
各局オランダに関する特集をしているみたいです。

これが、意外と勉強になるのよねー。折角勉強したので、まとめておこう。
テストに出るよ!

オランダの地理的特徴。
首都、アムステルダム。ベルギー、ルクセンブルクと合わせてベネルクス三国と呼ばれる。人口は1600万人、面積41000km2は、日本の九州に近い。 国土の1/4が海より低い位置に位置し、ポルダー(干拓によってできた土地、の意)といわれる。山も少なく、一年を通じて風が強い。その風を利用して水を海に排出するため風車が数多く建設されている。ほかに有名なのは、チーズなどの乳製品と、チューリップなどがあり、ゴッホ、フェルメールなどもオランダ出身である。

日蘭関係はとても深く、江戸時代の鎖国中に貿易をしていた唯一の国。理由は、他の欧州の国は宣教で宗教文化を日本に持ち込むため幕府が嫌ったのに対し、オランダはビジネス中心で貿易に特化して関係を築けたからである。有名なものには、杉田玄白・前野良沢の「解体新書」(「ターヘル・アナトミア」を訳して記される)、平賀源内のエレキテル、さらにはシーボルトが1824年に長崎郊外に鳴滝塾を開き、西洋医学や自然科学などを講じたことなどが挙げられる。

オレンジは国王の名前oranjeに由来する国の色。サッカーのオランダ代表のユニフォーム色がオレンジなのも、ここから来ている。

景色めっちゃ綺麗だなー、ハウステンボスいきたくなった!

「医学のたまご」/海堂尊

ズルでなぜか能力テストで1位を取ってしまった中学生が、医学部の学生と研究活動をする羽目に。
大人の都合でいろいろなトラブルに巻き込まれて、という展開になっていくのだけど、
結局は「科学の前に大人も子供も関係ない」とかかれていたあたりは真理なんじゃないかなあと思います。

あと、あとがきにもあった「何のために研究をするのか、学問に取り組んでいくのか」ということについて考えることも重要。
そういうことを読み取れるのであれば中学生や高校生にも読んで欲しいとは思うけど、
この話でそれを読み取るのは難しいよねえ。
お話としては読みやすくて海堂先生の作品にしてはライトな作品でした。

「わたしは、なぜタダで70日間世界一周できたのか?」/伊藤春香

本屋で見つけて、企画魂を感じたので読みたいと思った本。
企画するって、楽しいよね!

企画を立てましたよ!という前編と、旅でこんなこと感じました!という後編からなっていた。
通じてブログや日記を、もうすこし万人受けするように清書したような文体で読みやすいです。

じゃあ、この本で彼女は何を伝えたかったのかというと微妙。
私ってこんな人間です、という紹介・宣伝なのであればまあこの本でもいいんだろうけど、
結局私が歩んだ世界一周旅行に関する自叙伝の域を出なくて、やっぱり文中にあった「内輪ノリが楽しめない」状態だった。

じゃあ、この旅で彼女は何を得たのかというと、本文中にあった「オープンになる」だと思うのだが、そこについて詳しく書かれていたわけでもなくて。
まあ、ノンフィクションだからしょうがないか。

あと同時に、企画を立てましたよ、といっても0からの人間はなかなかそういうことができないということがよく分かった。
多分この人は恵まれているということかな。

「カルテット」/鬼束忠

なんだろう、普通に楽しめました。

両親は離婚しそう、姉貴は不良と化している。
そんなばらばらな一家の長男・開はバイオリンを習う中学生。

一家がバラバラなのに気づいて何とかしようとする開は、
ふと見つけた10年前のおばあちゃんの誕生日に開いた家族の演奏会の写真であるアイデアを思いつく。

両親は音大出、まだ小さい自分たちもいっしょに楽しそうに演奏していたのをみて、もう一度これをやろうとする。
もう、ほとんど離婚をきめている母親を説得するのに一苦労しつつも、
なんとか演奏会を開くことにはしたものの、上手くいかない練習が続く。
やはり、心がばらばらになってしまった家族は、その旋律もバラバラになってしまう。

それでも演奏をしてほんのちょっと絆ができたり、でもやっぱり離れてしまったり。
結局、すぐに来てしまった演奏会の日は、ぼろぼろの演奏で幕を閉じる。

それからもめげない開。
母親にしかれたレールの上には、プロへのバイオリニストへの道もある。
自分自身が迷いながら、それでも家族をまとめようとする開には頭が上がりません。

この数百文字の感想文ではかけないんだけど、
揺れ動く家族の様子をうまく描いていて、一人一人のキャラクターも、愛らしく描かれていると思います。

音楽的な背景にはあまり詳しくなく、その部分をもう少しきちんと描けていれば、というのと、
文章に動きとセリフしかなくて、まるで台本みたいだというところを差し引いても、さわやかな読後感を得られる作品でした。

「これが東大生・京大生の部屋だ!」/朝日奈ゆか

こないだ、本屋でたまたま見かけたときに立ち読みしてたんだけど、
図書館にあったので借りて読んでみた。

東大生のノートはこうだ、みたいな本がバカ売れしたので、
「じゃあ部屋を切り口に」という魂胆が見え見えですが、
部屋を眺めてみてもあまり共通点はない。というか基本的に汚い。

が、インタビューを通じて受験勉強に対する共通点みたいなものが見えてくる本。

とにかく、勉強に対するモチベーションややる気がハンパ無い。
どうやったらこんなに打ち込めるのか、自分自身をコントロールする力みたいなものを感じ取ってほしい。

「キケン」/有川浩

有川先生の最新作。男ばっかりの工業大学のとある部活はとんでもないことになっていた。

作風としてはシアターに近いものを感じます。
一人前の一歩手前。しかし、モチベーションだけはひたすらある、やりがいだけを追い求めていれば良い日々。
シアターの場合はそれだけではないよ、ということを描いているわけですが。

ちなみに、たぶん、実際のほぼ男子大学の状況は、こんなに明るいものではないと思います、ということだけを忠告しますが、
シアターと同じく読んでてモチベーションとかやる気が出てくるような明るい小説でした。