「陽気なギャングが世界を回す」/井坂幸太郎

 疲れて帰ってきて寝ていただけで書くことも無いので、先週木曜日に読み終わっていた「陽気なギャングが世界を回す」の感想。

 祥伝社とかいうあまり有名でない出版社から出ているおかげで、大学生協にはおいておらず、お取り寄せで入手。最近有名になっている井坂作品だから、その辺の本屋ならたくさんおいてあるのにね。大学生協ももうちょっと勉強してもらいたいものだ。

 中身は非常に痛快。井坂作品にしては非常に痛快で読んでいて楽しい感じ。その中でも井坂らしさは出ている。
 途中のストーリーは、とにかくストーリーを楽しむためにあるようなものだと思うので、その点は割愛。最後に作中に登場した様々な点と点が、見事に線になっていくところは小気味よかった。

 井坂作品で初めて映画化されたこの作品、映画も見ればよかったなぁなんて、いまさらながらに思う。どんな風に映画化されたんだろう。DVDとかで見てみるしかないか。
 来年には「アヒルと鴨のコインロッカー」も映画化。そのころにはこれも文庫化されるだろうし、楽しみが増えます(笑

名古屋に行ってきました

 名古屋で買い物するならどこ? 当然PARCOだよね(謎
 というわけで、栄まで行ってPARCO初体験してきました。WISHING FOR YOU.だよね!
 始めは名古屋駅周辺で、と思って名鉄百貨店あたりを考えていたんだけど、なんか改装中らしくて全然やってないから思い切って。でも名鉄にもメンズ館が出来るらしくて楽しみですな。

 PARCOのメンズフロアはなかなか広かった。今度できるなんば○|○|もメンズが揃っているらしいので、そっちも楽しみです。
 ――とはいっても、入っているショップがなんか似たような感じになってしまうのはしょうがないわけですが。都合によりショッピングを楽しむという感じではなかったので、服を1着だけ買って終了。

 PARCOのはす向かいにある、矢場とん本店にも行ってきました。なんか観光客丸出しになっちゃうので写真は撮らなかったけどなかなか美味しかったです。メニューもいろいろあるので、何度も行かなくては! と思ってしまうよね。

 以上で名古屋探索はおしまいデス。

「助手席にて、グルグル・ダンスを踊って」/伊藤たかみ

 祝、芥川賞受賞と銘打って店頭に積まれていた「助手席にて、グルグル・ダンスを踊って」を読んだ。伊藤たかみのデビュー作。
 wikipediaに書いてあったんだけど、伊藤たかみさんは三重県にも縁があったりして、平井堅と同級生なんだって。

 誰もが世界は自分が中心に動いていると思っていて。そのうちみんなも動いていることに気付いたりして。みんな、グルグルダンスを踊るのが一番幸せになる方法なんだから。
 正直、僕にはこんな時代はなかったけど、世の中の高校生はこんな世界なんだろうかなぁ。それにしては子供っぽい気がする。
 反面、手にしているものを普通にしたら、普通の高校生っぽくなるのかなあ。結局はケンカとか恋愛とか、自分の周りで起きることを自分中心で見ているだけだったりして。

 解説はとっても的確だった気がする。そう、彼らは子供で、仔犬みたいなものなんだ。キャンキャンとじゃれ合うようなケンカをして。瀬戸内寂聴の言葉を借りれば、アメリカの片田舎の青春ドラマを見ているような感じだ。

 というわけで何か得るものがあるのか、という気もするけど、久々に若ーいパワーをもらうことができた小説でした。中高生にお勧めかな。

「毒笑小説」/東野圭吾

 ひさびさに東野圭吾の本を読んだ。今回読んだのは「毒笑小説」という短編集です。

 いろんな雰囲気の短編があって、自分にあった“東野圭吾”を見つけるのにちょうどいいのかなぁ、と思います。僕が気に入ったのは、

  • 「誘拐天国」 なんか富豪刑事みたいなテンション。オチが切ない(笑)。
  • 「つぐない」 なかなか泣ける。東野圭吾の雰囲気がよく出てる。
  • 「ホームアローンじいさん」 もうありえない。けど笑える。完全なるジョーク。
とかかな。

 巻末の対談にも出てくる筒井康隆氏は「富豪刑事」も書いている、毒舌・ユーモア小説で有名な作家さん。最近では「時をかける少女」とか「日本以外全部沈没」でも知られてますね。
 ……というわけで、次は筒井康隆にズームイン!

「砂の器」/松本清張

 昨日から本格的に読み始めた「砂の器」を読み終えたのでメモ。「読みたいんだよねー」と友人の前で話していたら貸してくれたものを2日で一気に読んでしまいました。

 実は映画化やドラマ化されて有名なこの作品なんですが、僕は今まで名前だけしかしらなくて、小説は勿論、映像も見たことが無かった。(まぁ、犯人が音楽家ということはさ、中居君が主役やってたから分かっちゃってたわけだけどさ(汗)
 初めは「古い作品だし読むのは大変かなぁ」なんて思ってたけど、特に後半、主人公である今西が次々と点と点を結んでいくあたりは、そのテンポが小気味よくてどんどん読んでしまった(下巻は2時間半ぐらいで読み切ってしまった)。
 どうして読みやすいのかと考えてみると、やはり今西の描写が非常によい点が上げられるだろう。まず今西の心情はとけ込みやすく、読者が苦にならない。また、描写がなかなか緻密だと感じた。捜査のためたびたび旅行に出掛ける今西だが、その旅先での描写も丁寧で、土地を感じさせる。あと、(当時からみた)新進芸術家の表と裏のやり取りなんかも、読んでいて興味深い。

 ただ、トリックともいえる“新しい完全犯罪”にはちょっと参った。それはどうかと思ったわけだ。そうそう都合良くいくものだろうか。まぁ押し売りを撃退する程度なら、うまくいくのかもしれないけど、焦点を合わせたり、じゃあ自分には害がないのか、そういうところを科学的に考えると無理があるように思った。
 あと、どうしても言及しなくちゃいけないのは、偶然に由来する推理が多いこと。こればっかりは多分誰もが思ってるんだと思いますけど。

 映画を見た友人は泣いたといっていた。確かにラストの方は同情を誘う。小説を読んでいて泣くほどでは無かったが、映画では多分泣けるようにできているのだろう。機会があったら借りてこようと思う。

「ラッシュライフ」/伊坂幸太郎

 ここのところずっと読んでいる伊坂幸太郎の文庫3冊目。今回は「ラッシュライフ」です。

 とりあえず登場人物が多いこの作品。初めのうちは次々変わる登場人物に圧倒されて読みにくかったんだけど、読み進めていけばやっぱり裏切らない伊坂作品! 450ページ程度あるこの小説で、300ページぐらい読んでようやく面白さに気付くこのトリック。
 文庫の見開きすぐに出てくるエッシャーの絵が、はじめは何のことか分からない。作中にもなぜか印象的に出てくる、なのにやっぱり分からない。
 だけど読み進めていくうちに、不思議なことに気付く。これはまさにエッシャーの絵じゃないか! 気付いてしまうと作者の緻密な作戦が見えてくる。まんまと作者のトリックにはまっていた。
 伊坂ワールドと言うよりはトリックが楽しい作品でした。

 伊坂幸太郎の文庫化された作品は、新潮文庫では3冊で終了。あと1冊、祥伝社から文庫化されている「陽気なギャングが地球を回す」を読みたいなぁ。

「オーデュボンの祈り」/伊坂幸太郎

 「オーデュボンの祈り」を読み終わったので感想。

 伊坂幸太郎作品は2冊目。はじめに読んだ「重力ピエロ」は独特の伊坂ワールドが爆発していて、そこにはまった私。筆者のデビュー作である本作はどうかというと、やはり伊坂ワールドの原点があった。
 どこか不思議な現実。解説には超現実なんてことを書かれていたりしましたが、半ファンタジーな世界を舞台に広がる。
 伊坂幸太郎にミステリーというジャンルは不適切だと思う。確かにある事件がある。しかし求めるのはその犯人ではなく、その事件を解決する間に得る知識や思想である。それは本の主人公と本を読む読者のどちらもが得る知識や思想。
 そういえば、この作品では推理小説の“メイタンテイ”に対して言葉が書いてあるが、これは筆者本人が読者に伝えたかったことなのかとも思う。そして筆者自身がその後取り入れる手法となる。

ゲーム

 今日はゲームの話。最近「ベイグラントストーリー」というゲームを買いました(7/23の日記参照)。どうせ実家に帰っても暇だろうと思って、ゲーム持参で帰省。
 もうとにかくシビア、お気楽に楽しもうなんていうことはできないゲームでして、普通に殺られます。戦略を間違えたらオシマイです。ボス戦なんかは、どうやって倒すかいろいろな戦法を考えて試してみないといけない、なんてこともあります。
 それでも慣れてくると戦い方が分かってくるもので、その辺が面白いです。どうやら2週目以降やりこみ要素が増えてくるようなので、楽しみです。
 ──久々にゲームやってるなぁ。

東京フレンズ

 この前テレビでやってた「東京フレンズ」全5話を見てました。CMを抜けば1話当たり45分、DVDでは1話70分ぐらいらしいので、実際には30%オフになっているらしいので、やっぱりDVDも見たくなる──というavexの戦略に完全に嵌められているような気がします(汗
 さらに最終話の終わり方がどう考えても映画を見ろといわんばかりの終わり方で、やっぱりavexの戦略に完全に填められているような気がします(滝汗
 うわー、でも東京フレンズ結構面白いわ。大塚愛が好きとか嫌いとか抜きにして見たら結構楽しいかも。

mixi始めました

 mixiを始めました。こうやってリンク貼っても、mixiやってる人は自分のページに飛ぶし、やってない人はトップページだしね。

 正直、私はmixiが嫌いです。中でコソコソやってて、(インターネットの)外の世界に出てこない奴らがやってるんだろ!?
 ──とか書くと全世界数百万人のミクシストから反感を買うんだろうけど。
 それにコミュニティってなんだよ、俺は誰にも管理されたくないんだよ!とかほざいても便利さに勝てない世の中だったり。

 今日の日記は飛ばしていくから、私が何がいいたいのか分からない奴は置いていくぞー!

 たとえばmixiをやっていない人がアクセス解析を付けたHPを運営していて、mixi内の日記からリンクされていることに気付くとする。だけどどんな文面で引用されたのか見る術がない、これってあまりいいことだと思わない。
 これってコミュニティツールであるmixiと、パブリッシングツールであるインターネットを繋いでしまったこと。両者は混在されてはいけないと考える。

※注:ちなみに、これは極論です。たとえば2chからのリンクは? とか、アイドルのファンクラブ限定イベント(=外部の人は参加できない)はmixiと何が違うんだ、という言い分もあるわけです。まぁ、その辺の議論は今回はパスしてます。

 また、コミュニティツールなのに、リアル(現実)社会への影響力が強大というのも問題点。なんで現実の会話でmixi内で起きている話題を出す必要性があるのか。mixiと現実の境目が分からなくなることがある。

 mixiのシステム自体を否定はしないが、mixiが流行ること自体は現実での交友関係が希薄になった象徴とみることもできるし、あるいはインターネットという便利なツールが発展しそれを利用する人の数が増え、コミュニケーションが手軽にとれるようになった、と見ることもできる。
 忘れてはならないのは、mixiはあくまでインターネット上のコミュニケーションであること、そして我々は生身の人間であるということ。 まぁ、mixiでできるような手軽なコミュニケーションはmixiでやればいいと考えるわけだ。

 おお、なんか格好良く決まった。
 それはいいんだが、mixiの使い方が分からないので誰か優しく教えて(汗