「有頂天家族」/森見登美彦

 世間で噂になっていたこともあって読んでみた「有頂天家族」なんですけど、なんだこりゃ。
 狸と天狗と人間のはちゃめちゃな話。どこらへんが面白いのかあんまりわからないんだけど、まあとりあえず京都を舞台にした不思議な世界観のファンタジーだった、とぐらいしかいえない。これを説明するのは難しすぎでしょ(汗

「武士道セブンティーン」/誉田哲也

 この前読んだ「武士道シックスティーン」の続編。前作の衝撃ほどはないけれど、2人の成長が楽しめる一冊。2作目ともなれば話のテンポにも慣れているので、とても読みやすかったです。
 
 離れ離れになった早苗と香織は、それぞれに成長していく。初めて1人で厳しい世界に放り込まれた早苗と、逆に早苗がいない剣道部をひっぱっていく香織。高校時代はこうやって次々と新しい世界が現れて、人を強くしていくんだということを改めて噛み締めてしまう。青春の輝きがきらめいている作品。
 まだ続くみたいなので、エイティーンで2人がどのように高校生を卒業するのか、楽しみです。

「空の中」/有川浩

 有川浩の2作品目が文庫化されたこともあって読みました。
 
 あとがきにも書かれていたけど、ファンタジー系であるところの電撃大賞でデビューしていて、今回も「大人が出てくるファンタジーを書きたいが、(ファンタジー系の作品の縛りとして)主人公が子供のほうがいいかなぁ」と思ってこのような設定になっただとか。結果としては今の有川さんの作風はこのときにすでに確立しだしていたんだなぁと思いました。しかしラブコメ要素は小ない。

 知能を持つ機械が出てくるなど、SFっぽい要素を持っているのは初期らしさ。しかしながら登場人物の苦悩だったり、想いだったり、“心”の部分を表現する力はこのときから健在です。阪急電車や図書館戦争とはちょっと違った有川節を、ここでまた体験してもらいたいです。

「武士道シックスティーン」/誉田哲也

 本屋で平積みになっていて、面白そうだったので図書館で予約して手に入れました。
 
 2人の剣道部の女子高生が主人公で、性格の違う2人それぞれの視点から剣道や普段の生活、お互いへの思いなんかを描いていく作品。非常に読みやすくて、中高生の生活、考え方にぴったりなんじゃないかと思った。友情とかライバル心とか、あと部活動(彼女達の場合は剣道だけど)に対する考え方とか、いろいろ共感できると思います。
 中学生ぐらいの読書感想文にはぴったりだと思うので、夏の読書感想文がまだな人は是非。
 
 ライトノベルとまではいかないけど、さっくり読めてなかなか楽しめる作品。続編のセブンティーンが最近出たらしいので、そちらもよんでみようと思います。

「τになるまで待って」/森博嗣

 引き続き読書メモ。

 今回はわけも分からずやってきた山小屋?での出来事。結局、犯人もなんやねんそれ、みたいな結末になってます。トリックだけが興味の対象であって、犯人やその同期などは関係ないと言わんばかりの展開。
 ミステリ小説というより、その裏で動く大きなストーリーを進めるための小説だったのかもしれません。

 森博嗣の仕掛けかねないトリックを考えると、たとえばGシリーズ全体を見たときにどうしてもこの巻が必要となる、といったような展開が最終的にあるのかもしれませんが、この小説を薦めるということは現段階ではあまりないかな。

「ホルモー六景」/万城目学

 夏休み中にも本をたくさん読んだので、読書メモを次々アップしていきたいと思います。

 鴨川ホルモーのキャラクタが登場する短編。
 え、ここでもホルモーが? とか、それぞれのキャラクターのホルモー以外での魅力とかが描かれている作品で、鴨川ホルモーとセットで読むと結構楽しめる作品です。

 前作のときも書いたんだけど、ホルモーって何やねん、から始まってこのしょうもない遊びを中心に描いている割に、人間模様がしっかりしているからそのギャップに惹かれてしまう。本作ではホルモー度は減ったけど、前作があるからこそこの人間模様は浮きだって見えてくる。是非セットで読んで下さい。

「鴨川ホルモー」/万城目学

 前々から読みたいと思って図書館で予約していた本がようやく届いて、読みました。ホルモーって何ぞや、とずっと思ってたんやけどあんなスポーツ?だとは。

 読みやすい大学生青春小説みたいな感じになってました。始めは「ホルモーとは何やねん?」という興味から始まるし、京都の学生という特殊な人種が現れて、また京都の変な奴らの話かと思いきや、最後はホルモー自体より人間模様のほうに目が行っちゃうぐらいだからね。ちょっと驚いた、こんな話だとは!

 ということで、楽しく読める一冊。続編?の短編集もあるし、こっちも楽しみです。同時に届いたので早速読もう~。

「ラブコメ今昔」/有川浩

 激!甘!

 とにかく超甘いお話が詰まっていて、そういう甘い成分を摂取したいときにお勧めの一冊です。

 「クジラの彼」と同様、自衛隊員の恋愛模様がいろいろ描かれている作品。前回も書いたけど、自衛隊員も普通の人間なんだ、ということを改めて気付かされるのに加えて、こんな甘い恋もいいなぁ!いいなぁ!と思ってしまうわけですけど。

 もはや有川浩のラブコメ小説は全国に知れ渡っているわけですが、この作品もそんな感じです。楽しんでいただけると思います。

「ナイチンゲールの沈黙」/海堂尊

 それほど面白かったとはいえないかもしれない。「チーム・バチスタ」ほどのインパクトはなかったせいかもしれない。ただ、こんな作品も書くのかという発見があってよかったかもね。
 歌で映像が、とかいうちょっとあり得そうにもない設定もマイナス要素? ファンタジーとして読めば悪くないけど、ちょっと現実味はあまり。
 
 それに、バチスタで最も特徴的といえた田口先生のキャラクターも、今回よく生かされていたかというと、そうでもなかったような気がするしね。

「そうか、もう君はいないのか」/城山三郎

 本屋でちょっと興味を持ったので読んでみたら、城山三郎さんの人生振り返りエッセイでした。経済小説の開拓者ということらしいですが、本作はそんなことはなく、人生を振り返った優しい感じの作品でした。
 
 城山三郎の代表作って何なの?(逆に聞くなw