有川浩の2作品目が文庫化されたこともあって読みました。
あとがきにも書かれていたけど、ファンタジー系であるところの電撃大賞でデビューしていて、今回も「大人が出てくるファンタジーを書きたいが、(ファンタジー系の作品の縛りとして)主人公が子供のほうがいいかなぁ」と思ってこのような設定になっただとか。結果としては今の有川さんの作風はこのときにすでに確立しだしていたんだなぁと思いました。しかしラブコメ要素は小ない。
知能を持つ機械が出てくるなど、SFっぽい要素を持っているのは初期らしさ。しかしながら登場人物の苦悩だったり、想いだったり、“心”の部分を表現する力はこのときから健在です。阪急電車や図書館戦争とはちょっと違った有川節を、ここでまた体験してもらいたいです。