「数奇にして模型」/森博嗣

 やっと読み終わったので森博嗣S&Mシリーズ9作目「数奇にして模型」の感想。最後2冊は驚くべき厚さでちょっとげんなりしそうです。修論近くて忙しかったので読む速度もかなり遅かったですが。

 やっと萌絵登場で普通のお話。大学が舞台っていうのも森博嗣作品らしくてよい。いや今回は大学が舞台ってほどでもないけど。模型を作る人の気持ちはあんまり分からないし、動機というか結末というか、その辺がなんとなく反則技のように思った。それがトリックだったのか! みたいなことは一切無いっていうのは森博嗣にしてはあまり面白くないような。「笑わない数学者」のときのように、犯人探しそっちのけで森博嗣が仕掛けたトリックにはまりたかったかも。
 でも解説とかを読んでると、森博嗣の昔の姿があって、自分達の世界を紹介したかったのかな、と思う。普段伝えることができない世界、それは特に大学教授という仕事や、あるいは作家という仕事でもあまり紹介できないものだったけど、ストーリーの中の登場人物に語らせるという形でその思いを昇華させているのかと思う。
 今回も理系的考え方がたくさんでてきて、そこを理解できるかどうかはこの作品をより楽しめるかどうか変わってくると思います。

 いよいよ次が最終作。2月中に読みきりたいなぁ。

「地下鉄に乗って」/浅田次郎

 いやぁ、ミーハーですみません。映画化された「地下鉄に乗って」を読んだのでメモ。

 昔に戻ってしまうファンタジー。知らなかった事実を知ることによって、人の気持ちはこんなにも変わるものなのか。去年流行った「流星ワゴン」に似た感じがしたのは僕だけだったかなぁ。
 流星ワゴンは暗い話題を明るく変えるマジックに成功していたと思うけど、この作品はあまり明るくならない。最後はかなり切ない終わり方だと思う。僕はもっと明るい話の方が好き、かな。

「今はもうない」/森博嗣

 はい、怒濤のペースで読んでます。いよいよ8巻目「今はもうない」も読了。

 6巻までは萌絵視点で素直なミステリーが続いていたのに対し、7、8巻はちょっと違ったストーリーテリングになっていて、今回も謎そのものよりも、この会話に登場する人物が誰なのか、という点が気になってしょうがない。
 さすがに後半になるとミステリーも気になるけれど、結局最後の最後にストーリーの謎とミステリーの謎が両方解けて、スッキリする感じでしょうか。

 あと2冊でS&Mシリーズも終了。ってか残りの2冊分厚すぎですよ(汗

HP近況

 センター解答を公開していたので、最近のHPのヒット数はものすごいです。でも、それも昨日ぐらいまでで、今日はもうアクセス解析を見ていても「センター 解答」みたいな検索があまり見られません。

 まぁ、たいていの人は平均点と行きたい大学の倍率なんかを調べているんだと思います。僕も6年前はものすごく迷ったものですが、迷ったときは困難な道を進め、が鉄則ですから、挑戦してもらいたいものです。若いうちはホントにね。
 ──なんて書きながら自分に言い聞かせているわけでもありますが。

 2月になると、いよいよ私大入試が始まるので、その解答作成に追われそうです。いや、むしろそうなれるように修論を早く上げないといけないなぁと思うわけですが。

「夏のレプリカ」/森博嗣

 S&Mシリーズ7巻の「夏のレプリカ」を読み終えたので読書メモ。

 今回は、前巻と同時期の話。こちらに偶数章しかないのは、そのためらしいです。とはいえ、あまり関係ないどころか、両方を交互に読んだとしてもそこまで面白くなるわけではないような気がします。読み返すときにはその意図に基づいて読もうかと思いますが。
 今回は、本文中にも誰かが書いているように「誰も答えを求めていない」ストーリーです。犯人が誰なのかを追いかける人がいない。たまに萌絵が出てくるけど、ほとんど関係ない。だから、犯人が分かってもホッとしないし、嬉しくならない。動機はおまけみたいな。結局、最後まで読んで「ああそうですか」となってしまう。
 それが狙いなのかも知れないけど、盛り上がり的には微妙です。やっぱりこのシリーズは萌絵が活躍してるのが楽しいです。

アニメも始まった

 昨日の深夜やってた「のだめカンタービレ」のアニメ1話を見た。展開が早いです。何話で終わらせる気なのかしらないけど、ドラマでも1時間(実質42分程度)掛けてやった導入を半分の実質20分のアニメでやるには無理があるような。
 結局漫画やドラマで原作を知らない人にはかなりきつい感じがします。まさか1クールで日本編を終わらせる気じゃあないでしょうねぇ(汗

 あとドラマ版のだめ(上野樹里)があまりにも的確なのだめイメージを作り上げてしまったせいか、今回ののだめはちょっと違う気がしてしまう。「むきー」とかいうのだめ語があまりのだめっぽくなく感じるよ。声優の川澄綾子は実力派だけど。あと千秋役に関智一を持ってくるのはよい選択だと思います。
 ただ、ドラマほど力が入っていないせいか、音楽用語の読み方とか微妙かも?

 ってか深夜過ぎて毎週見られません! それでなくても火曜日はしんどいから早く寝たいのに。

「幻惑の死と使途」/森博嗣

 「幻惑の死と使途」を読んだのでメモ。

 1ヶ月ぶりに森博嗣ワールドに戻ってきて、やっぱりストイックな世界観だなぁと。理系人間ならきっと楽しく読めるだろう部分が随所にあった。
 犀川が最後にのべる「名前」というものの尊厳については考えさせられる。とはいえ、このことは哲学的にはよく考えられていることであり、それを理系ミステリ作家が利用するというところにギャップを感じているだけなのかもしれないけど。

 前々から森博嗣作品ではトリックは意味を持たないと言っていたけど、今作品もまさにその通り。というか、作中で誰が犯人か、トリックが何かを当てるのは困難を極めるような気がする(厳密には「犯人が誰か」ぐらいは分かるだろうが)。萌絵はちゃんと答えにたどり着くんだから凄いものです。ただ、最後に犀川が付け加えた「本当の意味でのイリュージョン」が、とても考えさせられる結果だったと思う。この作品はミステリではない!

 この巻は奇数章のみで構成されている。次巻は偶数章のみの「夏のレプリカ」だが、これらの関係はどうなっているのか気になるところだ。早く読みたい。

「ダ・ヴィンチ・コード」/ダン・ブラウン

 実家に置きっぱなしだったこの本、ようやく読み切ったので感想。
 思い返すとこの「ダ・ヴィンチ・コード」は、文庫化したころにバイト先の生徒が単行本の上巻を貸してくれたおかげで、上巻だけ読んでいたのでした。結局そのとき下巻を読んでなかったんだけど、中途半端で終わるのも気持ち悪いから文庫版でその続きを読みました。

 意外と楽しく読めた。だけど、キリスト教とか詳しかったらもっと楽しかったのかなぁとも思う。やっぱり、アメリカとかではキリスト教がもっと身近にあるんだろうか。
 そんな僕から見ると、なんでこの小説(映画?)が流行ったのかがあまり分からない。ただのサスペンスのような感じもする。まぁ、そこにキリスト教云々が関係してくると、興味深く見えるのかも知れませんけど。結局「ふぅん」っていう感じです。

 海外の作品はあまり読みませんが、国語で習ったような作家の作品はいくつかよみたいなぁ。そういえば、ハリーポッターとかも読んでないわけですけど。

夢のような正月

 寝正月2日目、いつの間にか1日終わってました。この調子で1年が進むなら、365日もあっという間だ! と思ってしまいます。
 正月はよい。さんまのまんまを見て、格付けとぷっすま見てたら夜になるんだからなぁ。

 そういえば、思い立ったようにSFC版の風来のシレンをやってしまった。これ、面白いわ~。もはやテーブルマウンテンは余裕だ。フエイの最終問題こそが面白いが、ここも運がよければ楽勝。終わったら5時になってた。うああ、寝なくちゃ。

 なんて夢のような正月だ。

「アヒルと鴨のコインロッカー」/伊坂幸太郎

 「アヒルと鴨のコインロッカー」/伊坂幸太郎を読み終わったのでメモ。

 今回も文章ならではのトリック。現在と過去のストーリーが徐々に語られ、その2つが最後に絡み合う。ストーリーが意外と暗いのが気になってしょうがないんだけど、伊坂らしいテーマだったかと。それほど驚きの展開があるわけではないけれど、重力ピエロよりももっとやさしい気持ちに包まれる感じです。伊坂ファンなら違和感なく読めると思います。

 ところで、映画化するらしいです。これをどうやって映画化するんだ!?と思ってしまうのですが、どうなんでしょうか。最後にコインロッカーに××するシーンは印象的のように思います。コインロッカーは仙台駅らしいですよ。
 これをどのように映像化するのか、そっちのほうが気になって見に行ってしまいそうです(笑