「虎と月」/柳広司

 誰もが高校で学ぶであろう、中島敦の「山月記」という作品をモチーフにした作品。 あとがきには、作者が山月記が好きで好きでたまらなくて、想像力というか妄想を広げていった結果このような作品が出来上がったとある。
 ストーリーとしては虎になった李徴の子供が、何故父親は虎になったのかということを確かめに旅に出る、という話だが、もう少し漢文の知識がある人が読んだ方が面白いに決まっている。実際話のオチも漢文の知識でできているという完成度。

「風の中のマリア」/百田尚樹

 「BOX」の作者が送る新作。前作「BOX」がものすごくよかったので、今回もタイトルで気に入って読みました。

 まず、1ページ目に書いてある説明文にびっくり。「オオスズメバチについて」。前回の青春活劇から急変して、今度はスズメバチ?

 しかしまあ、読み始めるとあっという間にその世界観に飲み込まれてしまいます。

 1つ目は自然界の厳しさと自然の美しさ。喰う喰われるの世界で生きている主人公にとって、獲物を得ることは生きることに等しい。どんな残酷な状況でも、ただ生きるために、妹を育てるために獲物を取るという描写は、とても印象深い。同時に、美しい自然を思わせる描写も所々にあり、これがちょうどよい。

 2つ目は、オオスズメバチの特徴ある一生について。他の虫に「メスなのに子孫を残さないなんておかしい」といわれて、困惑してしまう場面がある。オオスズメバチ特有のさまざまな性質について、うまく擬人化した感情を加えながら物語に織り交ぜていく様子は、とても上手に描かれていて、勉強になる。

 雄大な自然のなかの物語でありながら、自然科学的に蜂の生態についての興味まで引き起こされてしまう、よい小説でした。

「最後のパレード」/中村克

 なんか、いろいろあって廃刊になった本。

 著作権とかの問題があるけど、どれもいい話ばっかり。
 実際、ディズニーランドという夢の国は、その夢の国であること自体がバリューであるから、バイトを始めとするキャスト全員がその気持ちを持っているといわれているし、生々しい話をすれば、夢の国であるために投資するお金も半端じゃないといわれてる。

 この本ではディズニーだから、というよりも人を思いやることの大切さとかを感じればいいんじゃないのかな。中に書いてあるストーリー自体はいいものだし、同様の本がほかにあったり、この本も図書館に行けば手に入るので、読んでみればいいと思います。

Mr.BRAIN

 昨日、今日と見続けていたドラマ、Mr.BRAINがようやく終わりました。いやあ、脳をテーマにした割には、脳はあんまり関係ない、ただの刑事ドラマでしたね。ただキャストはめちゃくちゃ豪華やったけど。

 あと、こないだ中国ではすでにDVDが売られてましたよ、まだ出てないはずなのに(汗

「エヴァンゲリオン新劇場版:破」

 昨日帰宅ついでに、エヴァを見てきた。前作がTVシリーズをいい感じに再現していたので、ようやく謎解明シリーズが始まったと喜んでいたのに、今回の「破」でムチャクチャにされたような気もします。どうしたものか。

 「ホカホカする」発言とかも、当時の作風からは絶対に想像できないものだったので、これが好意的に受け入れられているのかどうか、というところです。とりあえず次回作まで見ないとなんとも言えません。

 それにしても監督はこの作品を終わらせる気があるのだろうか?

帰宅

 11時ぐらいにホテルをチェックアウト、どこかに行こうかとも思ったんだけど、疲れが溜まってるみたいでそのまま新幹線に乗り込んで帰宅。エクスプレス予約だから、予約はいつでも、予約変更も自由自在!

 新幹線では2時間半のバクスイ。少し元気が出たので、新宿に寄ってエヴァの破を見てきました。なんだかまたわけわからなくなってましたね。
 家に帰ってのんびり。疲れた。

OB会

 昼ごろようやく行動開始。遅っ(汗

 Soup Stock Tokyoで昼ごはん。カレーセットがうまかった。

 そのあとはアーバンライナーで大阪に。隣の席に外人がいて、ずっと缶チューハイを飲んでいた。そして楽しそうに歓談。なんじゃこりゃ。

 飲み会は梅田で。懐かしい人にも会えたし、2次会まで楽しめたし、いい日でした。っていうか、元教室長の次に自分が一番年上っていう!!(汗

「三匹のおっさん」/有川浩

 3人のおっさんが町内会に起こる問題を解決していく、という話。
 おっさんが主役であるにもかかわらずラブコメ要素もあって、やっぱり有川作品だなあ、という感じ。同時に、還暦過ぎたおじさんの元気の秘訣、そして彼らの魅力が伝わってくる作品です。

 短編集でとても読みやすく、有川先生のいうところの“ライトノベル”になっていると思います。手軽に、気軽に読んでもらえる本というジャンルに磨きが掛かっていると思います。

「大金星」/水野敬也

 「夢をかなえるゾウ」の著者の本だったので読んでみた。パターン的にはゾウと同じようなストーリーで進む物語風の啓蒙書。ただ、啓蒙の内容が恋愛というテーマに置き換わっているのが特徴。多書を見てみると、恋愛テーマにしてたりしゃべくりをテーマにしたり、いろいろ書いてるんやねえ。

 いいところと悪いところが半々なので、両方書きます。いいところは、やっぱり姿勢は見習うべきだと思ったこと。「ゾウ」もそうだったけど、ここに書いてあることをすれば必ず成功するとは限らないが、ここに書いてあることをしなければうまくいきようがないという内容だと思うわけです。あとは自然にできるかどうか。

 ただ、これを読むと「ちょっとこれはなぁ」とか、「いくらなんでも現実離れしてる」とか思わざるを得ない。まさか著者が本当にこのことをやって恋愛がうまくいったとも思えないし。そうなってくると、逆に「ゾウ」も妄想だけでかかれていたりしないかと不安になってしまう。いいことが書いてあったのに、この本のせいで「ゾウ」まで価値が下がってしまうのはよくないですなあ(汗

「ホームレス中学生」/田村裕

 映画化もされたベストセラー。いまさら図書館で借りて読んだ。
 衝撃的な“ホームレス中学生”なのは前半ちょっとだけで、あとは家族について考えるような内容。
 文章はそれほどでもないけど、後半に出てくる先生と手紙をやりとりするシーンは、ものすごくいいシーンだった。あんなふうに、自分の考えを大事に伝えてくれる先生は、なかなかいないよ!

 まあミーハー心たっぷりで読んだ割にはよい話でした。