古い田舎村の様子を、子供たちと大人の視点から交互に描いた作品。
子供の頃はやんちゃでいいし、小さいコミュニティの中で、子供が抱えるには大変な問題を抱えたりする。それは昔も今も同じ。
“今”を生きる子供は、問題を抱えたらはけ口がなくて困ってしまう。そんなときに、大人が語ってくれる昔も同じように悩んだんだというエピソードに、ちょっと救われたりするのかもしれません。
というような話。
古い田舎村の様子を、子供たちと大人の視点から交互に描いた作品。
子供の頃はやんちゃでいいし、小さいコミュニティの中で、子供が抱えるには大変な問題を抱えたりする。それは昔も今も同じ。
“今”を生きる子供は、問題を抱えたらはけ口がなくて困ってしまう。そんなときに、大人が語ってくれる昔も同じように悩んだんだというエピソードに、ちょっと救われたりするのかもしれません。
というような話。
森見先生の(ちょっと前の)新作。どんな小説かと思って読んでみたら、長編エッセイでした。いや、エッセイではない。森見先生お得意の妄想をふんだんに取り入れたエッセイとなっている。普段書かれている小説の妄想度合いはひどすぎてちょっと、という人にも、これぐらいの妄想ならお勧めできる。
竹が大好きだという著者が、いかに竹を愛しているかが伝わってくる作品。というありきたりのような馬鹿にしているようなコメントしかできなくてごめんなさい。でも、ちょっとだけ竹が好きになりました(笑
「このミス」上位作だったので、読んでみました。ものすごいボリュームで、さらに冒頭から昭和、戦後という時代設定だったので、読むのが大変かなと思っていたのですが、少し読み進めるうちにのめりこむ感じはさすがでした。
すでにレビューなどがたくさん紹介されていて、その触れ込みが「誰にも気付かれない犯罪が完全犯罪ならば、誰にも気付かれない完全恋愛なるものは存在するのか、それはどんなものなのか」といったものだったので、それを頭に入れて読んでしまうと、冒頭数十ページで大きな意味で物語の本質のネタばれはしてしまう。しかしそのことをこれだけたくさんのページをかけて完全恋愛の物語をつむぐというのはすごいことだと思います。
ミステリ要素もいくらかあって、僕の場合最後まで気付かなかった点も多くありました。ただ、最後の最後でその謎を解明する部分が、ちょっと説明くさいというか押し付けがましいというか、なぜか「読者に向けて説明している」ようになってしまったのは残念。あくまで物語の中の世界で自然に完結して欲しかった。
流行っているのでミーハーな気持ち丸出しで読んでみた。そしたらやっぱり面白かった。
成功したい、自分の夢をかなえたい、そう思ったら何をするべきか。それは簡単ではないのですが、自己啓発という名のもとにその手の本を読んだりする人は多いと思います。ビジネス書の半分(言い過ぎ)は自己啓発書で、「俺はこうやったらうまくいった」のように、半分自己満足のようにかかれている小難しい本が多いのです。「それはあんたの性格に合ったやり方だっただけでしょ!」といいたくなる。
で、この本は、そんなビジネスパーソン向け自己啓発書なんかよりももっと基本的な、とっても当たり前のようなことが、面白いストーリーとともに書いてある。誰もが共感できるし、「あ、これは自分にない考えだ」というものが見つかればラッキー。
僕の考えでは、ここにある考えは基本的にどれも正しいと思います。ここに書いてあることをすれば必ず成功するとは限らないが、ここに書いてあることをしないような人は、やはり夢が実現する確率は低くなるんだろうなあと、思わされました。一度読んでみて損はしない啓蒙書。
最後は今年のお勧めを紹介する、「最高の一冊」賞です。毎年やってたら最高の一冊もどんどん増えちゃうけど。
●最高の一冊賞
いよいよメインの最高の一冊賞です。さっそく発表。
今年の最高の一冊賞は、「モダンタイムス」/伊坂幸太郎にします。「ゴールデンスランバー」と迷ったし、どっちでもいいよ。とにかく今の伊坂先生の最高傑作だといえます。
ちょうど僕ら20代ぐらいの人が、政治や世の中に対してもやもやと思っている部分がピックアップされていて、ハラハラさせながらも、もどかしさとかを世の中にぶつけてくれる。他書には「考えろ、考えろ」という名セリフが出てきますが、僕達読み手は、常に考え続けていないといけないんだ、ということを思わされます。
とにかく読んで、何かを考えてほしい一冊。来年も期待してます。
3つの賞で、2つ目は××賞。毎年臨機応変に名前を変えようと思っている賞です。今年は「青春時代に読みたかった賞」です。
●青春時代に読みたかった賞
青春時代に読みたかった賞受賞作は「武士道シックスティーン」/誉田哲也に決定!
悪く言うと「漫画みたい」といわれちゃうかもしれませんが、それでもいいんです。中高生が楽しく読書をできるというのは大事なこと。そして中身もとってもよい。青春と女の子同士の友情が描かれていて、本当にカッコいい物語だと思います。
部活をやって辛かったり楽しかったりする中高生に、そしてそれを懐かしく思う大人のみなさんに、是非読んで欲しい1冊です。来年は、他の作品も読んでいきたいなあ。
さあ、今年もやってまいりました第1回個人的ベストブック賞。いや、初めてだけど。
今年読んだ本は全部で57冊。目標の年間50冊は突破してました。その中で、個人的によかった本、作家さんをこれ以上なく勝手な判断で紹介します。基本的には3つの賞を用意してます。今日は意外賞。
●意外賞
本屋でパッと見て、タイトルやジャケットがよかったから読んだら、意外にも面白かった! 次もこの作家の本読もう!という本に贈呈します。とてつもなく失礼な賞です。
意外賞受賞は、「阪急電車」/有川浩に決定!
個人的に有川旋風が巻き起こったイズミですが、そのキッカケを作った本がこれでした。本屋に平積みされている「阪急電車」を見た偶然、1年前まで大阪に住んでいてちょうどそれを懐かしく思う偶然、そしてその小説がとてもほっこりする暖かさにあふれていた偶然。
そんな偶然が重なり合って、僕は有川さんの小説に出会いました。これを意外賞という賞にしてしまうのは本当に申し訳ないのですが、それぐらい印象深い本なのです。今ではどっぷりつかってしまっている有川ワールドに、是非あなたも足を踏み入れてみませんか。
※有川先生、関係者の皆様、失礼な賞に選んでしまい、申し訳ありません。賞の名前はジョークです。でも大好きな気持ちに偽りはありません。
今年ラストの読書記録です。
ずーっと、森博嗣にしては読みやすい、ちょっとしたミステリだと思ってたんだけどね。最後の最後で「なんて恐ろしい話なんだ」と思わされた。
昼休みに会社の更衣室で読んでたんだけど、つい声を上げてしまった(汗
それ以上でもそれ以下でもない話。友達が殺されてしまう様子を、淡々と物語風に描く小学生、というのはちょっと恐ろしい気もするけどね。
逆に言うと、人に聞いてもらえる、伝えられるのは17秒ぐらいってことかなあ。
簡潔なコミュニケーションが重要であるのは当然なので、確認の意味をこめてこういう本を読んでおいてもよいかなあと思います。
バチスタ番外編とでもいうのだろうか、バチスタのように華やかさは無くとも、読み手をひきつける力を持っています。
タイトルにもあるように、1988年当時の医療現場を彷彿とさせるような記述は多く見られる。
描かれているのはやはり医者の姿。いろいろな種類の医者がいる中で、あるときは人間味あふれる医者の姿、あるときは高度な技術や専門的な知識をもつ医者の姿が描かれる。
それに加えて、読み手をひきつける文章の力があって、かなりの秀作になってます。バチスタシリーズを知っていれば楽しく読めるのですが、実際のところ、バチスタなんかよりも面白いかもしれません。お勧めの1冊です。