「フォーカス」

ウィル・スミス演じる詐欺師とその詐欺師に詐欺の手法を学んだ美人詐欺師が、コンビを組んで詐欺を働く。
そのうちに、“教え子”だった詐欺師のテクニックが上回って、お互い気が抜けない関係に。

マーゴット・ロビーのセクシーさあり、
騙し合いや駆け引きの白熱したやり取りもあり、
最後の最後で、なにそれ、そういう展開?という展開もありで、
期待して見るのではなく、詐欺師が生み出すコメディ?ぐらいのテンションで見るといいかも。

そうしないと、ネット中に拡散しているような、
「観客が騙される」とか「その割にはあっさり」とかいうコメントになってしまう。

楽しい爽快感のある映画でした。

「風に立つライオン」

さだまさし原作の小説の映画化。
映画の最後に同名のさだまさしの楽曲が流れて、
その時初めて、「風に立つライオン」というタイトルの曲があることを知った。

ケニアの病院で働くことになった日本人医師が、
孤独な中もさまざまな患者と向き合い、奮闘する作品。

成長していく様を描く、なんて生易しい言葉では表わせないほど、
過酷で死と隣り合わせの現場。
医師として人間と向き合うことの難しさと、
それをやり遂げると決めてそれに立ち向かう主人公の様子に感動した。

終わり方はちょっと、どうしようもない感じで、
もっとよい終わり方があればよかったのに、と思えてやまない。

「まほろ駅前狂騒曲」

前作「まほろ駅前多田便利軒」の続編という感じなのですが、
これから見始めてしまったので細かい設定はよくわかりませんでしたが、それでも楽しめる作品でした。

2人がなぜかいろいろな問題に巻き込まれてしまい、
田舎らしいのんびりとしたリズムで、それらをなんとか解決していきます。

とっても不思議な雰囲気の映画でした。

「寄生獣」

前編はミギーに右手を乗っ取られ、
徐々に心まで人間でなくなるのではないかという葛藤がありながら、
母親が寄生獣に乗っ取られ自分の手で殺すことになってしまう。

寄生獣の組織化も描かれ、後編に期待がかかる展開。

見ているうちに慣れるけど、
冒頭に人間の顔が豹変する様子は、ちょっとグロテスク過ぎて見ていられなかった。

「アリスのままで」

若年性アルツハイマーと診断された女性の苦悩を描く。
ストーリーが緻密でよくできていて、映像も美しく、とてもよい映画だった。
少しずつ記憶を失い、行動が異常になり、
やがて精神的にも老いていく様子が、見事に表現されていた。

それでも私らしくいたい、私としての尊厳があるのだ、
そういうメッセージを強く感じました。

「ジョーカーゲーム」

もしも戦時中、諜報機関があったら、というストーリー。

ある南方の島の米国大使から秘密情報を盗み出すのが今回のミッション。
メイドとして仕えていた女に翻弄されながら、このミッションに立ち向かう。

ストーリーは、小説の一つの短編を拡大させたものらしいのだが、
小説を読んでいるくせに、まったくもって記憶に残っていなかった。
おかげで、逆に新鮮な気持ちで見ることができたんだけど。

ハリウッドのような派手さはないけれど、
アクションあり、ストーリーも一筋縄ではいかず、軽く二転三転するし、
小説を読んでいたけど、それでも楽しめた日本映画でした。

「キングスマン」

ジャンルは、スパイアクション映画?

堕落した生活を送っていた主人公は、
ひょんなことから、どこの国にも属さないスパイ機関「キングスマン」の候補生になる。
さまざまな訓練を通して、人としても成長していく。
世界の人口縮小計画という陰謀を知り、その計画の阻止をミッションに悪に立ち向かう。
……といった感じのストーリー。

人気コミックの映画化らしく、確かに中身はかなりぶっ飛んだ設定。
でもそこがおもしろく、ハチャメチャなアクション映画として楽しめる。
映像もストーリーもわくわくする映画でした。

日本ではもうすぐ公開ですね。

「ビッグ・アイズ」

数奇な運命だな、という一言。
自分の絵を、再婚した口先の巧い夫が自分の絵だとして売り出してしまう。
商才のある夫の戦略は大当たりして、次々に売れていくが、
いつまでも、自分の絵を自分の絵と発表したいという気持ちは消えない。

この映画だけを見ると、
正直言って、夫がいなければ主人公が生きて行けていたかどうかは分からない。
夫の商才があってこその生活だったと言えなくはないはずだ。
しかし、その分を考慮しても庇いきれないのは夫の言動。
少しでも早くこのずれた軌道を元に戻せていれば、と思わざるを得ない。

最後は裁判で決着がつくという結末だけど、
もし現実の世界だったとしたら、これは何が幸せで何が不幸なのか、
本当にわからないなあ。

「アニー」

とにかく、前向きなアニーの様子が印象に残る。
孤児というとても辛い環境なのに、普段はその悲しさを見せず、楽しむことを考えて生きている様子が印象的。

現代のニューヨークを舞台にしたり、市長選の支持率アップに利用されたりと、
原作からはストーリーが変わっているようだけれども、
根本的な部分は同じで、
見ていて元気をもらえるという、とてもいい映画だったと思います。