一般に、事象Aの確率をP(A)で表す。また、事象Aの余事象をAと表し、二つの事象A,Bの積事象をA∩Bと表す。
大小2つのさいころを同時に投げる試行において
Aを「大きいさいころについて、4の目が出る」という事象
Bを「2個のさいころの出た目の和が7である」という事象
Cを「2個のさいころの出た目の和が9である」という事象
とする。
(1) 事象 A , B , C の確率は、それぞれ
P ( A ) = ア イ , P ( B ) = ウ エ , P ( C ) = オ カ
である。
(2) 事象Cが起こったときの事象Aが起こる条件付き確率は キ ク であり、事象Aが起こったときの事象Cが起こる条件付き確率は ケ コ である。
(3) 次の サ 、 シ に当てはまるものを、下の⓪~②のうちからそれぞれ一つ選べ。ただし、同じものを繰り返し選んでも良い。
P ( A ∩ B ) サ P ( A ) P ( B )
P ( A ∩ C ) シ P ( A ) P ( C )
⓪ < ① = ② >
(4) 大小2個のさいころを同時に投げる試行を2回繰り返す。1回目に事象 A ∩ B が起こり、2回目に事象 A ∩ C が起こる確率は ス セソタ である。三つの事象 A , B , C がいずれもちょうど1回ずつ起こる確率は チ ツテ である。
解答
アイウエオカ
出る目の全パターン(事象)は 6×6 = 36パターン。これらのうち、事象 A , B , C となる事象の場合の数を求める。
P ( A ) について:
( 大の出目 , 小の出目 ) = ( 4 , 1 ) , ( 4 , 2 ) , ( 4 , 3 ) , ( 4 , 4 ) , ( 4 , 5 ) , ( 4 , 6 )
の6通りなので、である。
P ( B ) について:
( 大の出目 , 小の出目 ) = ( 1 , 6 ) , ( 2 , 5 ) , ( 3 , 4 ) , ( 4 , 3 ) , ( 5 , 2 ) , ( 6 , 1 )
の6通りなので、である。
P ( C ) について:
( 大の出目 , 小の出目 ) = ( 3 , 6 ) , ( 4 , 5 ) , ( 5 , 4 ) , ( 6 , 3 )
の4通りなので、である。
キクケコ
事象Cが起こるのは、
( 大の出目 , 小の出目 ) = ( 3 , 6 ) , ( 4 , 5 ) , ( 5 , 4 ) , ( 6 , 3 )
であり、この中で事象Aを満たすのは、 ( 4 , 5 ) のみ。よって、である。
同様に、事象Aが起こるのは、
( 大の出目 , 小の出目 ) = ( 4 , 1 ) , ( 4 , 2 ) , ( 4 , 3 ) , ( 4 , 4 ) , ( 4 , 5 ) , ( 4 , 6 )
であり、この中で事象Cを満たすのは、 ( 4 , 5 ) のみ。よって、である。
サシ
A ∩ B とは ( 大の出目 , 小の出目 ) = ( 4 , 3 ) ということだから、
である。また、 より、P ( A ∩ B ) = P ( A ) P ( B ) である。①が正解。
A ∩ C とは ( 大の出目 , 小の出目 ) = ( 4 , 5 ) ということだから、
である。また、 より、P ( A ∩ B ) > P ( A ) P ( B ) である。②が正解。
スセソタ
A ∩ C とは ( 大の出目 , 小の出目 ) = ( 3 , 6 ) , ( 5 , 4 ) , ( 6 , 3 ) ということだから、
である。だったので、求める確率は、
となる。
チツテ
三つの事象 A , B , C がちょうど1回ずつ起こるというのは、
(i)「A ∩ B」と「A ∩ C」が起こる
(ii)「A ∩ B」と「A ∩ C」が起こる
の2パターンあるので、それぞれの確率について考える。
(i) 「A ∩ B」と「A ∩ C」が起こる
1回目に「A ∩ B」が起こり、2回目に「A ∩ C」が起こる確率は、今求めたとおり、である。
その逆の順序で起こる場合もあるので、求める確率は である。
(ii) 「A ∩ B」と「A ∩ C」が起こる
1回目に「A ∩ B」が起こり、2回目に「A ∩ C」が起こる確率を求める。
A ∩ B とは ( 大の出目 , 小の出目 ) = ( 1 , 6 ) , ( 2 , 5 ) , ( 3 , 4 ) , ( 5 , 2 ) , ( 6 , 1 ) ということだから、
である。また、 であるから、求める確率は、
である。実際には逆の順序の場合もあるので、(ii)の確率としては、
である。
(i)と(ii)は排反なので、これらの和を求めて、
となる。
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