2022年 共通テスト数学IIB 第5問

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講評 第1問[1] 第1問[2] 第2問[1] 第2問[2] 第4問 第5問

 平面上の点 O を中心とする半径 1 の円周上に 3 点 A , B , C があり、\displaystyle \overrightarrow{\text{OA}}  \cdot \overrightarrow{\text{OB}} = -\frac{2}{3} および \overrightarrow{\text{OC}} = - \overrightarrow{\text{OA}} を満たすとする。 t を 0 < t < 1 を満たす実数とし、線分 AB を t : ( 1 – t ) に内分する点を P とする。また、直線 OP 上に点 Q をとる。

(1) cos∠AOB =  アイ  ウ  である。
 また、実数 k を用いて \overrightarrow{\text{OQ}} = k \overrightarrow{\text{OP}} と表せる。したがって
  \overrightarrow{\text{OQ}} =  エ  \overrightarrow{\text{OA}} +  オ  \overrightarrow{\text{OB}}……①
  \overrightarrow{\text{CQ}} =  カ  \overrightarrow{\text{OA}} +  キ  \overrightarrow{\text{OB}}
となる。
 \overrightarrow{\text{OA}}\overrightarrow{\text{OP}} が垂直になるのは、 t =  ク  ケ  のときである。

 エ  キ  の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)

⓪ kt  ① ( k – kt )  ② ( kt + 1 )
③ ( kt – 1 )  ④ ( k – kt + 1 )  ⑤ ( k – kt – 1 )

 以下、 t ≠  ク  ケ  とし、∠OCQ が直角であるとする。

(2) ∠OCQ が直角であるとことにより、(1)の k は
  k =  コ  サ  t –  シ ……②
となることがわかる。

 平面から直線 OA を除いた部分は、直線OAを境に二つの部分に分けられる。そのうち、点 B を含む部分を D1 、含まない部分を D2 とする。また、平面から直線 OB を除いた部分は、直線 OB を境に二つの部分に分けられる。そのうち、点 A を含む部分を E1 、含まない部分を E2 とする。

  • 0 < t <  ク  ケ  ならば、点 Q は  ス 
  •  ク  ケ  < t < 1 ならば、点Q は  セ 

 ス  セ  の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)

⓪ D1 に含まれ、かつ E1 に含まれる
① D1 に含まれ、かつ E2 に含まれる
② D2 に含まれ、かつ E1 に含まれる
③ D2 に含まれ、かつ E2 に含まれる

(3) 太郎さんと花子さんは、点 P の位置と |\overrightarrow{\text{OQ}}| の関係について考えている。 t = 12 のとき、①と②より、 |\overrightarrow{\text{OQ}}| = √ ソ  とわかる。

太郎: \displaystyle t \neq \frac{1}{2} のときにも|\overrightarrow{\text{OQ}}| = √ ソ  となる場合があるかな。

花子:|\overrightarrow{\text{OQ}}| を t を用いて表して、|\overrightarrow{\text{OQ}}| = √ ソ  を満たす t の値について考えればいいと思うよ。

太郎:計算が大変そうだね。

花子:直線 OA に関して \displaystyle t = \frac{1}{2} のときの点 Q と対称な点を R としたら、 |\overrightarrow{\text{OQ}}| = √ ソ  となるよ。

太郎: \overrightarrow{\text{OR}}\overrightarrow{\text{OA}}\overrightarrow{\text{OB}} を用いて表すことができれば、 t の値が求められそうだね。

 直線 OA に関して、 t = 12 のときの点 Q と対称な点を R とすると
  \overrightarrow{\text{CR}} =  タ  \overrightarrow{\text{CQ}}
     =  チ  \overrightarrow{\text{OA}} +  ツ  \overrightarrow{\text{OB}}
となる。
 t ≠ 12 のとき |\overrightarrow{\text{OQ}}| = √ ソ  となる t の値は  テ  ト  である。

解答

アイウ

 A , B , C は半径 1 の円周上にあるので、| \overrightarrow{\text{OA}} | =| \overrightarrow{\text{OB}} | = | \overrightarrow{\text{OC}} | = 1である。内積の定義より、

    \[ \overrightarrow{\text{OA}} \cdot \overrightarrow{\text{OB}} = | \overrightarrow{\text{OA}} | | \overrightarrow{\text{OB}} | \cos \angle \text{AOB} = -\frac{2}{3} \]

より、 cos∠AOB = -23

エオカキ

 点Pの定義より、

    \[ \overrightarrow{\text{OP}} = t\overrightarrow{\text{OB}} + ( 1 -t) \overrightarrow{\text{OA}} \]

だから、

    \begin{align*} \overrightarrow{\text{OQ}} &= k\overrightarrow{\text{OP}} \\ &= \bm{(k-kt)} \overrightarrow{\text{OA}} + \bm{kt} \overrightarrow{\text{OB}} \end{align*}

である。
 また、 \overrightarrow{\text{CO}} = -\overrightarrow{\text{OC}} = \overrightarrow{\text{OA}} であるから、

    \begin{align*} \overrightarrow{\text{CQ}} &= \overrightarrow{\text{CO}} + \overrightarrow{\text{OQ}} \\ &= \overrightarrow{\text{OA}} +  (k-kt) \overrightarrow{\text{OA}} + k \overrightarrow{\text{OB}} \\ &= \bm{(k-kt+1)} \overrightarrow{\text{OA}} + \bm{kt} \overrightarrow{\text{OB}} \end{align*}

である。これを式③としておく。

クケ

 \overrightarrow{\text{OP}} = t\overrightarrow{\text{OB}} + ( 1 -t) \overrightarrow{\text{OA}}より、

    \[\overrightarrow{\text{OA}} \cdot \overrightarrow{\text{OP}} = t \overrightarrow{\text{OA}} \cdot \overrightarrow{\text{OB}} + ( 1-t) |\overrightarrow{\text{OA}}|^2 = 0 \]

より、
  - 23 t + ( 1 – t ) = 0
を解いて t = 35 である。

コサシ

  \overrightarrow{\text{CO}} = -\overrightarrow{\text{OC}} = \overrightarrow{\text{OA}}
  \overrightarrow{\text{CQ}} = (k-kt+1) \overrightarrow{\text{OA}} + k \overrightarrow{\text{OB}}
であるから、

    \[ \overrightarrow{\text{CO}} \cdot \overrightarrow{\text{CQ}} = \overrightarrow{\text{OA}} \cdot \{  (k-kt+1) \overrightarrow{\text{OA}} + k \overrightarrow{\text{OB}} \} = 0 \]

を整理して、
  ( k – kt + 1 ) – 23 kt = 0
となるので、これを k について解いて、
  k = 35t – 3
である。

スセ

 t = 35 のときの図は以下のようになっている。

 よって、 t が 0 < t < 35 の範囲にあるときは、直線 OP は以下の図のようになるので、点 Q は領域 D2 、領域 E2 に含まれる。よってが正解。

 また、 t が 35 < t < 1 の範囲にあるときは、直線 OP は以下の図のようになるので、点 Q は領域 D1 、領域 E1 に含まれる。よってが正解。

 t = 1/2 を式②に代入して、 k = -6 である。これらを式①に代入すると、

    \[ \overrightarrow{\text{OQ}} =-3 ( \overrightarrow{\text{OA}} + \overrightarrow{\text{OB}} ) \]

となるので、

    \[ |\overrightarrow{\text{OQ}}|^2 = 9 ( 1 + 1 - 2 \cdot \frac{2}{3} ) = 6 \]

であるから、 OQ = √6 となる。

タチツ

 点 R は、t = 1/2 のときの、点Qを直線OAに関する対称な点であるから、

    \[ \overrightarrow{\text{CR}} = \bm{-}\overrightarrow{\text{CQ}} \]

である。式③に、 t = 1/2 , k = – 6 を代入して、

    \[\overrightarrow{\text{CR}} = \bm{2} \overrightarrow{\text{OA}} + \bm{3} \overrightarrow{\text{OB}} \]

となる。

テト

 誘導にある通り、 \overrightarrow{\text{OR}} を求めると、

    \[ \overrightarrow{\text{OR}} = \overrightarrow{\text{OC}} + \overrightarrow{\text{CR}} = \overrightarrow{\text{OA}} + 3\overrightarrow{\text{OB}} \]

となる。
 直線ABと直線ORの交点を P とすると、

    \[ \overrightarrow{\text{OR}} = l \overrightarrow{\text{OP}} = lt \overrightarrow{\text{OB}} + l(1-t) \overrightarrow{\text{OA}} \]

であるから、
  lt = 3 , l ( 1 – t ) = 1
となるので、これを解いて l = 4 , t = 34 となる。

\overrightarrow{\text{OR}} = \overrightarrow{\text{OA}} + 3\overrightarrow{\text{OB}} = 4 \times \dfrac{\overrightarrow{\text{OA}} + 3\overrightarrow{\text{OB}}}{4} という式変形ができれば、これだけで t = 3/4 が明らかである。この式変形はできるようにしておきたい。

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