2021年 共通テスト(1/31)数学IIB 第2問[1]

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講評 第1問[1] 第1問[2] 第2問[1]

a を実数とし、 f ( x ) = ( x – a ) ( x – 2 ) とおく。また、\displaystyle F(x) = \int_0^x f(t) dtとする。

(1) a = 1 のとき、 F ( x ) は x =  ア  で極小になる。

(2) a =  イ  のとき、 F ( x ) はつねに増加する。また、 F ( 0 ) =  ウ  であるから、 a =  イ  のとき、 F ( 2 ) の値は  エ  である。

 エ  の解答群

⓪ 0  ① 正  ② 負

(3) a >  イ  とする。 b を実数とし、 \displaystyle G(x) = \int_b^x f(t)dt とおく。

 関数 y = G ( x ) のグラフは、 y = F ( x ) のグラフを  オ  方向に  カ  だけ平行移動したものと一致する。また、 G ( x ) は x =  キ  で極大になり、 x =  ク  で極小になる。
 G ( b ) =  ケ  であるから、 b =  キ  のとき、曲線 y = G ( x ) と x 軸との共有点の個数は  コ  個である。

 オ  の解答群

⓪ x軸  ① y軸

 カ  の解答群

⓪ b  ① -b  ② F ( b )
③ - F ( b )  ④ F ( – b )  ⑤ - F ( – b )

解答

 いま、 y = ( x – 1 ) ( x – 2 ) である。
 y ≧ 0 すなわち、 x ≦ 1 , 2 ≦ x の範囲では F ( x ) は増加し、 1 ≦ x ≦ 2 では F ( x ) は減少する。すなわち、 y = F ( x ) のグラフは以下のようになる。よって極小となるのは、 x = 2 のときである。

 逆に、F ( x ) が常に増加するということはすべての x において y ≧ 0 であるということである。
  y = ( x – a ) ( x – 2 ) ≧ 0
が常に成り立つということは、 y = ( x – a ) ( x – 2 ) のグラフと x 軸が接する、または交点が存在しないということである。
 それは a = 2 のときである。

 上記条件は、2自方程式 ( x – a ) ( x – 2 ) = 0 の解の個数が1個以下、ということだから、判別式を利用して、
  ( x – a ) ( x – 2 ) = x2 – ( 2 + a ) x + 2a = 0 の判別式 D ≦ 0
としてもよい。
  D = ( a + 2 )2 – 4・2a
   = a2 – 4a + 4
   = ( a – 2 )2 ≦ 0
を解いて、 a = 2 としてもよい。ですが、図から明らかなことなので、上記解答が理解できるようになりましょう。

 積分範囲が 0 から 0 となるので、\displaystyle F(0) = \int_0^0 f(t) dt = \bm{0} である。

 a = 2 のとき F ( x ) は常に増加であり、 f ( 0 ) = 0 から始まって常に増加ということから、 F ( 2 ) の値は① 正である。

オカ

 F ( x ) , G ( x ) の定義の式から、

    \begin{align*} F(x) &= \int_0^b f(t)dt + \int_b^x f(t)dt \\ &= F(b) + G(x) \end{align*}

すなわち、
  G ( x ) = F ( x ) – F ( b )
となる。よって、 y = G ( x ) のグラフは y = F ( x ) のグラフを ① y 軸方向に ③ - F ( b ) だけ平行移動したものであるといえる。

キク

 y = G ( x ) のグラフは y = F ( x ) のグラフを y 軸方向に平行移動しただけであるから、極大極小を与える x の値は、 y = F ( x ) と変わらない。
 いま、 a > 2 であるから、y = F ( x ) のグラフは、(先程までと違い、) x = 2 のとき極大、 x = a のときが極小となる。

 積分範囲を考えて、 \displaystyle G ( b) = \int_b^b f(t) dt = \bm{0}である。

 いま、 b = 2 だとすれば、 G ( 2 ) = 0 が極大値ということだから、 y = G ( x ) のグラフは次のようになり、 x 軸との共有点の個数は 2 個となる。

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