初項 3 、公差 p の等差数列を { an } とし、初項 3 、公比 r の等比数列を { bn } とする。ただし、 p ≠ 0 , かつ r ≠ 0 とする。さらに、これらの数列が次を満たすとする。
an bn+1 – 2 an+1 bn + 3bn+1 = 0 ( n = 1 , 2 , 3 , … ) ……①
(1) p と r の値を求めよう。自然数 n について、 an , an+1 , bn はそれぞれ
an = ア + ( n – 1 ) p ……②
an+1 = ア + np ……③
bn = イ rn-1
と表される。 r ≠ 0 により、すべての自然数 n について bn ≠ 0 となる。bn+1bn = r であることから、①の両辺を bn で割ることにより
ウ an+1 = r ( an + エ )……④
が成り立つことが分かる。④に②と③を代入すると
( r – オ ) pn = r ( p – カ ) + キ ……⑤
となる。⑤がすべての n で成り立つことおよび p ≠ 0 により、 r = オ を得る。さらに、このことから p = ク を得る。
以上から、すべての自然数 n について、 an と bn が正であることも分かる。
(2) p = ク , r = オ であることから、 { an } , { bn } の初項から第 n 項までの和は、それぞれ次の式で与えられる。
= ケ コ n ( n + サ )
= シ ( オ n – ス )
(3) 数列 { an } に対して、初項 3 の数列 { cn } が次を満たすとする。
an cn+1 – 4an+1cn + 3cn+1 = 0 ( n = 1 , 2 , 3 , …)……⑥
an が正であることから、⑥を変形して、 cn+1 = セ an+1an + ソ cn を得る。さらに、 p = ク であることから、数列 { cn } は タ ことが分かる。
タ の解答群
⓪ すべての項が同じ値を取る数列である
① 公差が 0 でない等差数列である
② 公比が 1 より大きい等比数列である
③ 公比が 1 より小さい等比数列である
④ 等差数列でも等比数列でもない
(4) q , u は定数で q ≠ 0 とする。数列 { bn } に対して、初項 3 の数列 { dn } が次を満たすとする。
dnbn+1 – qdn+1bn + ubn+1 = 0 ( n = 1 , 2 , 3 , …)……⑦
r = オ であることから、⑦を変形して、 dn+1 = チ q ( dn + u ) を得る。したがって、数列 { dn } が、公比が 0 より大きく 1 より小さい等比数列となるための必要十分条件は q > ツ かつ u = テ である。
解答
アイ
{ an } は初項 3 、公差 p だから、等差数列の一般項の公式より、
an = 3 + ( n – 1 ) p
である。{ bn } は初項 3 、公差 r だから、
bn = 3・rn-1
である。
ウエ
問題文の指示通り、①の両辺を bn で割って
an bn+1bn – 2an+1 + 3 bn+1bn = 0
より、
anr – 2an+1 + 3r = 0
2an+1 = r ( an + 3 )
となる。
オカキ
ここも問題文の指示通り、②と③を代入して整理すると、
2 ( 3 + np ) = r ( 3 + ( n – 1 ) p + 3 )
6 + 2np = 6r + pnr – pr
( r – 2 ) pn = r ( p – 6 ) + 6
となる。
ク
式 An = B がすべての n で成り立つとき A = 0 である
ということは非常に重要なので覚えておいてほしい。これを用いて今回は p ≠ 0 であることも踏まえて、 r – 2 = 0 すなわち r = 2 となっている。
問題文より、 r = 2 を代入して、
(右辺) = 2 ( p- 6 ) + 6 = 0
を解いて、 p = 3 である。
また、 { an } は初項も等差も正なので、常に正である。 { bn } は初項も等比も正なので常に正である。
ケコサシス
an = 3n であり、等差数列の和の公式より、
である。等比数列の和の公式より、
である。
セソ
⑥を変形して、
an cn+1 – 4an+1cn + 3cn+1 = 0
( an + 3 ) cn+1 = 4an+1cn
より、
cn+1 = 4an+1an + 3 cn
である。
タ
いま、 an+1 = an + 3 であるから、
4an+1an + 3 = 4 ( an + 3 ) an + 3 = 4
となるので、
cn+1 = 4cn
となるので、 { cn } は公比が 4 の等比数列、すなわち、② 公比が1より大きい等比数列である。
チ
⑦を変形して、
( dn + u ) bn+1 = qdn+1bn
より、
dn+1 = bn+1qbn ( dn + u )
であり、いま bn+1 = 2bn より、
dn+1 = 2q ( dn + u )
となる。
ツテ
{ dn } が等比数列であるとは、 dn+1 = kdn となることであるので、
u = 0
が必要である。また、公比の条件より、
0 < 2q < 1
を解いて、q > 2 である。
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