a , b は正の実数であり、 a ≠ 1 , b ≠ 1 を満たすとする。太郎さんは loga b と
logb a の大小関係を調べることにした。
(1) 太郎さんは次のような考察をした。
まず、 log3 9 = ス , log9 3 = 1 ス である。この場合
log3 9 > log9 3
が成り立つ。
一方、 log14 セ = – 32 , logセ 14 = – 23 である。この場合
log14 セ < logセ 14
が成り立つ。
(2) ここで
loga b = t……①
とおく。
(1)の考察をもとにして、太郎さんは次の式が成り立つと推測し、それが正しいことを確かめることにした。
logb a = 1t……②
①により、 ソ である。このことにより タ が得られ、②が成り立つことが確かめられる。
ソ の解答群
⓪ ab = t ① at = b ② ba = t
③ bt = a ④ ta = b ⑤ tb = a
タ の解答群
⓪ a = t1b ① a = b1t ② b = t1a
③ b = a1t ④ t = b1a ⑤ t = a1b
(3) 次に、太郎さんは(2)の考察をもとにして
t > 1t……③
を満たす実数 t ( t ≠ 0 ) の値の範囲を求めた。
t > 0 ならば、③の両辺に t を掛けることにより、 t2 > 1 を得る。このような t ( t > 0 ) の値の範囲は 1 < t である。
t < 0 ならば、③の両辺に t を掛けることにより、 t2 < 1 を得る。このような t ( t < 0 ) の値の範囲は -1 < t < 0 である。
この考察により③を満たす値の範囲は t ( t ≠ 0 ) の値の範囲は
-1 < t < 0 , 1 < t
であることがわかる。
ここで a の値を一つ定めたとき、不等式
loga b > logb a……④
を満たす実数 b ( b > 0 , b ≠ 1 ) の値の範囲について考える。
④を満たす b の値の範囲は a > 1 のときは チ であり、 0 < a < 1 のときは ツ である。
チ の解答群
⓪ 0 < b < 1a , 1 < b < a ① 0 < b < 1a , a < b
② 1a < b < 1 , 1 < b < a ③ 1a < b < 1 , a < b
ツ の解答群
⓪ 0 < b < a , 1 < b < 1a ① 0 < b < a , 1a < b
② a < b < 1 , 1 < b < 1a ③ a < b < 1 , 1a < b
(4) p = 1213 , q = 1211 , r = 1413 とする。
次の⓪~③のうち、正しいものは テ である。
テ の解答群
⓪ logp q > logq p かつ logp r > logr p
① logp q > logq p かつ logp r < logr p
② logp q < logq p かつ logp r > logr p
③ logp q < logq p かつ logp r < logr p
解答
ス
定義通りで、
log3 9 = 2
セ
のとき、
である。
ソタ
①を指数関数で表すと、① at = b である。
両辺を 1/t 乗して、① a = b1/t である。
チツ
問題文より、 t > 1/t の解は、 -1 < t < 0 , 1 < t である。
いま、 logab = t とおくと、方程式④の解は
-1 < logab < 0 , 1 < logab
となる。この不等式を解くために、底を揃えると、
loga a-1 < logab < loga1 , logaa < logab
となる。
対数を取るときには底に気をつける。
a > 1 であれば、不等号の向きは変わらず、
a-1 < b < 1 , ( 1 < ) a < b
となる。選択肢では、③ 1a < b < 1 , a < b である。
0 ≪ a < 1 のときは、不等号の向きが逆になり、
1 < b < a-1 , ( 0 <) b < a ( < 1 )
となる。選択肢では ⓪ 0 < b < a , 1 < b < 1a である。
テ
よい説明は検討中。答えは②。(すみません。)
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