点Zを端点とする半直線ZXと半直線ZYがあり、 0° < ∠XZY < 90° とする。また、 0° < ∠SZX < ∠XZY かつ 0° < ∠SZY < ∠XZY を満たす点Sをとる。点Sを通り、半直線ZXと半直線ZYの両方に接する円を作図したい。
円Oを、次の(Step 1)~(Step 5)の手順で作図する。
手順
(Step 1) ∠XZYの二等分線l上に点Cを取り、下図のようにhな直線ZXと半直線ZYの両方に接する円Cを作図する。また、円Cと半直線ZXとの接点をD、半直線ZYとの接点をEとする。
(Step 2) 円Cを作図すると直線ZSとの交点の一つをGとする。
(Step 3) 半直線ZX上に点HをDG//HSを満たすようにとる。
(Step 4) 点Hを通り、半直線ZXに垂直な直線を引き、lとの交点をOとする。
(Step 5) 点Oを中心とする半径OHの円Oをかく。
(1) (Step 1)~(Step 5)の手順で作図した円Oが求める円であることは、次の構想に基づいて下のように説明できる。
構想
円Oが点Sを通り、半直線ZXと半直線ZYの両方に接する円であることを示すには、OH = ア が成り立つことを示せば良い。
作図の手順より、△ZDGと△ZHSとの関係、および△ZDCと△ZHOとの関係に着目すると
DG : イ = ウ : エ
DC : オ = ウ : エ
であるから、 DG : イ = DC : オ となる。
ここで、3点 S , O , H が一直線上にない場合は、∠CDG = ∠ カ であるので、△CDGと△ カ との関係に着目すると、 CD = CG より OH = ア であることがわかる。
なお、3点 S , O , H が一直線上にある場合は、 DG = キ DC となり、DG : イ = DC : オ より OH = ア であることがわかる。
ア ~ オ の解答群(同じおのを繰り返し選んでも良い。)
⓪ DH ① HO ② HS ③ OD ④ OG
⑤ OS ⑥ ZD ⑦ ZH ⑧ ZO ⑨ ZS
カ の解答群
⓪ OHD ① OHG ② OHS ③ ZDS
④ ZHG ⑤ ZHS ⑥ ZOS ⑦ ZCG
解答
ア
点Oが直線l上にあることより、半直線ZXと半直線ZYに接することは明らか。
あとは、線分OSの長さがOHと等しいことが言えればよい。よって、
OH = ⑤ OS
が成り立つことを示せば良い。
イウエオ
△ZDGと△ZHSが相似であることから、
DG : HS = ZD : ZH
である。また、△ZDCと△ZHOが相似であることから、
DC : HO = ZD : ZH
である。よってイウエオの順に、 ②、⑥、⑦、① である。
カ
S , O , H が一直線上にない場合、 CD//OH かつ GD//SH であることから、
∠CDG = ② ∠OHS
である。
(このことは、△CDGと△OHSが相似であるといっており、いま △CDGにおいて CD = CG であるから、△OHSにおいても、 OH = OS だといえる。)
キ
S , O , H が一直線上にあるということは OH//HS 、すなわち HS は半直線ZXに垂直である。
作図手順のStep3にある通り、 DG//HS であるから、DG も半直線ZXに垂直であることと、円Cが半直線ZXに点Dで接していることから、DGは円Cの直径となる。
よって、 DG = 2DC である。
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