右の図のように、△ABCの外側に辺AB、BC、CAをそれぞれ1辺とする正方形ADEB、BFGC、CHIAをかき、2点EとF、GとH、IとDをそれぞれ線分で結んだ図形を考える。以下において
BC = a , CA = b , AB = c
∠CAB = A, ∠ABC = B, ∠BCA = C
とする。
(1) b = 6 , c = 5 , cos A = 35 のとき、 sin A = セ ソ であり、△ABCの面積は タチ 、△AIDの面積は ツテ である。
(2) 正方形BFGC、CHIA、ADEBの面積をそれぞれ S1 , S2 , S3 とする。このとき、S1 – S2 – S3 は
- 0° < A < 90°のとき、 ト 。
- A = 90°のとき、 ナ 。
- 90° < A < 180°のとき、 ニ 。
ト ~ ニ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)
⓪ 0である
① 正の値である
② 負の値である
③ 正の値も負の値もとる
(3) △AID、△BEF、△CGHの面積をそれぞれ、 T1 , T2 , T3 とする。このとき、 ヌ である。
ヌ の解答群
⓪ a < b < c ならば、 T1 > T2 > T3
① a < b < c ならば、 T1 < T2 < T3
② A が鈍角ならば、 T1 < T2 かつ T1 < T3
③ a , b , c の値に関係なく、 T1 = T2 = T3
(4) △ABC , △AID , △BEF , △CGH のうち、外接円の半径が最も小さいものを求める。
0° < A < 90°のとき、 ID ネ BC であり
(△AIDの外接円の半径) ノ (△ABCの外接円の半径)
であるから、外接円の半径が最も小さい三角形は
- 0° < A < B < C < 90° のとき、 ハ である。
- 0° < A < B < 90° < C のとき、 ヒ である。
ネ 、 ノ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)
⓪ < ① = ② >
ハ 、 ヒ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)
⓪ △ABC ① △AID ② △BEF ③ △CGH
解答
セソ
sin A > 0 であることより、
である。
タチ
三角形の面積の公式より、
△ABC = 12 bc sin A = 12・6・5・45 = 12
である。
ツテ
いま、
∠IAD = 180° – ∠BAC
より、
sin ∠IAD = sin ∠BAC
となるので、
△AID = AD・AI2 sin ∠IAD
= AB・AC2 sin ∠BAC
= △ABC
より、△AID = 12
トナニ
まず、0° < A < 90° のとき、三角形の性質より、 a2 < b2 + c2 である。
よって、
S1 < S2 + S3
すなわち、
S1 – S2 – S3 < 0
である。よって、② 負の値である。
同様に、A = 90° のとき、
a2 = b2 + c2
より、
S1 – S2 – S3 = 0
となるので、⓪ 0である。
90° < A < 180° のときは、
a2 > b2 + c2
より、
S1 – S2 – S3 > 0
となるので、① 正の値である。
ヌ
ツテの結果より、
△ABC = △AID =T1
となったが、このときと同じ考え方から、T2, T3 も△ABCに等しいと言える。
よって、答えは、③ a, b, c の値に関係なく、 T1 = T2 = T3 である。
ネノ
△AIDにおける正弦定理より、
ID2 = 52 + 62 – 2・5・6 cos∠IAD
△ABCにおける正弦定理より、
BC2 = 52 + 62 – 2・5・6 cos∠BAC
となり、 0° < A < 90° のとき、 cos∠BAC > 0 , cos∠IAD < 0 であるから、
ID2 > BC2 すなわち、 ID > BC である。よって②。
△ABCと△AIDの外接円の半径をそれぞれ R, R1 とおくと、
2R = BCsin∠BAC
2R1 = IDsin∠IAD
であり、いま分母の値は等しいので、分子の大小を比べて、
R1 > R
すなわち、
(△AIDの外接円の半径) > (△ABCの外接円の半径)
となる。よって答えは ② 。
ハヒ
同様に、B, C も90°より小さい範囲であれば、
(△BEFの外接円の半径) > (△ABCの外接円の半径)
(△CGHの外接円の半径) > (△ABCの外接円の半径)
が成り立つので、
0° < A < B < C < 90° のときは、△ABCの外接円の半径が最も小さい。よって ⓪ が正解。
次に、0° < A < B < 90° < C のとき、A, B は90°より小さいので先程と同様、
(△AIDの外接円の半径) > (△ABCの外接円の半径)
(△BEFの外接円の半径) > (△ABCの外接円の半径)
が成り立つ。一方で、C > 90° であることから、AB > HG となることから、
(△CGHの外接円の半径) < (△ABCの外接円の半径)
となる。
よって、外接円の半径が最も小さい三角形は、△CGHということになる。よって ③ が正解。
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