難しい積分計算3 [2010 東京理科大・理・数]

問題

 次の積分の値を求めよ。

\[ \int_0^1 \frac{2x+2}{x^2+x+1} dx \]

イズミの解答への道

 積分計算にはいくつかのパターンがあり、 \displaystyle \int \frac{1}{x^2 +1} dx のパターンでは、 x = tanθ とおきかえるという定石はご存知のことでしょう。知らない人はきちんと勉強して下さい。
 今回の問題は分母に1次式が含まれるパターンで、教科書では勉強しないかもしれませんが、うまく式変形して今回の定石に持ち込みます。一度は経験しておきたい問題です。

解答

\[ \int_0^1 \frac{2x+2}{x^2+x+1} dx = \underbrace{\int_0^1 \frac{2x+1}{x^2+x+1} dx}_A + \underbrace{\int_0^1 \frac{1}{x^2+x+1} dx}_B \]

とおいて、それぞれの積分を求める。

\begin{align*} A &= \int_0^1 \frac{2x+1}{x^2+x+1} dx \\ &=\left[ \log | x^2 + x + 1 | \right]_0^1 \\ &=\log 3 - \log 1 = \log 3 \end{align*}

となる。つぎに、

\begin{align*} B &= \int_0^1 \frac{1}{x^2+x+1} dx \\ &=\int_0^1 \frac{1}{\displaystyle \left(x+\frac{1}{2}\right)^2 + \frac{3}{4}} dx \\ &= \frac{4}{3} \int_0^1 \frac{1}{\displaystyle \frac{4}{3} \left( x + \frac{1}{2} \right)^2 + 1} dx \\ \end{align*}

となることから、

\[ \frac{2}{\sqrt{3}} \left( x + \frac{1}{2} \right) = \tan t \]

とおくと、

\[ x = \frac{\sqrt{3}}{2} \tan t - \frac{1}{2} \]

であり、両辺の微分を取って、

\[ dx = \frac{\sqrt{3}}{2} \frac{1}{\cos^2 t} dt \]

となる。積分範囲は、

\[ \begin{array}{c|ccc} x & 0 & \to & 1 \\ \hline \tan t & \displaystyle \frac{1}{\sqrt{3}} & \to & \sqrt{3} \\ \hline t & \displaystyle \frac{\pi}{6} & \to & \displaystyle \frac{\pi}{3} \end{array} \]

となるので、求める積分は、

\begin{align*} B &= \frac{4}{3} \int_{\pi/6}^{\pi/3} \frac{1}{\tan^2 t + 1} \cdot \frac{\sqrt{3}}{2} \frac{1}{\cos^2 t} dt \\ &= \frac{4}{3} \int_{\pi/6}^{\pi/3} \frac{\sqrt{3}}{2} dt \\ &=\frac{4}{3} \frac{\sqrt{3}}{2} \left( \frac{\pi}{3} - \frac{\pi}{6} \right) \\ &=\frac{\sqrt{3}}{9}\pi \end{align*}

となる。以上より、求める積分の値は、

\[ \int_0^1 \frac{2x+2}{x^2+x+1} dx = A+B = \bm{ \log 3 + \frac{\sqrt{3}}{9} \pi } \]

解説

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