ブラーマグプタの公式 [2004 立命館大*]

問題

図のように円に内接する四角形 ABCD において、\overline{AB}=a,\overline{BC}=b,\overline{CD}=c,\overline{DA}=dとし、∠ABC = α, ∠CDA = β とする。さらに\displaystyle S = \frac{1}{2}(a+b+c+d)とするとき、次の空欄を埋めよ。

(1) \overlien{AC}^2を a , b , α を用いて表すと、

\[ \overline{AC}^2 = \fbox{\hskip1em\rule{0pt}{1ex}} \]

(2) cosβ = -cosα の関係を用いて cosα を a , b , c , d で表すと、

\[ \cos \alpha = \frac{\fbox{\hskip1em\rule{0pt}{1ex}}}{2(ab+cd)} \]

となる。

(3) sin2α = ( 1 – cosα ) ( 1 + cosα ) なる関係、 sinα > 0 なることに注目すると、

\[ \sin \alpha = \fbox{\hskip1em\rule{0pt}{1ex}}\sqrt{(S-a)(S-b)(S-c)(S-d)} \]

となる。

(4) したがって、四角形の面積 T は、sinβ = sinα なので、
  T = △ABC + △ADC =    
となる。

イズミの解答への道

 円に内接する四角形の面積を求める問題で、辺の値が具体的な値だったら、練習問題として何度も解いたハズの問題。指示に従って解いてみると、意外な結果が現れます。
 とにかく指示に従って解けば、とりあえず穴は埋められるはずです。

解答

(1) △ABCにおいて余弦定理より、
  AC2 = a2 + b2 – 2ab cosα
(2) △ADCにおいて余弦定理より、
  AC2 = c2 + d2 – 2cd cosβ
     = c2 + d2 + 2cd cosα
となり、これを(1)の結果と連立すると、
  a2 + b2 – 2ab cosα = c2 + d2 + 2cd cosα
より、

\[ \cos \alpha = \frac{\bm{a^2 + b^2-c^2 -d^2}}{2(ab+cd)} \]

(3)

\begin{align*} 1 - \cos \alpha &= \frac{2ab+2cd-a^2-b^2+c^2+d^2}{2(ab+cd)} \\ &=\frac{(c+d)^2 - (a-b)^2}{2(ab+cd)} \\ &=\frac{(c+d+a-b)(c+d+b-a)}{2(ab+cd)} \\ &=\frac{(2S-2b)(2S-2a)}{2(ab+cd)} \\ &=\frac{2(S-a)(S-b)}{ab+cd} \\ 1 + \cos \alpha &=\frac{2ab+2cd+a^2+b^2-c^2-d^2}{2(ab+cd)} \\ &=\frac{(a+b)^2 - (c-d)^2}{2(ab+cd)} \\ &=\frac{(a+b+c-d)(a+b+d-c)}{2(ab+cd)} \\ &=\frac{(2S-2d)(2S-2c)}{2(ab+cd)} \\ &=\frac{2(S-c)(S-d)}{ab+cd} \end{align*}

であるから、

\[ \sin^2 \alpha = \frac{4(S-a)(S-b)(S-c)(S-d)}{(ab+cd)^2} \]

となり、 sinα > 0 であるから、

\[ \sin \alpha = \bm{ \frac{2}{ab+cd}} \sqrt{(S-a)(S-b)(S-c)(S-d)} \]

である。

(4) sinβ = sinα であるから、

\begin{align*} T &= \frac{1}{2} ab \sin \alpha + \frac{1}{2} cd \sin \beta \\ &=\frac{1}{2}(ab+cd) \sin \alpha \\ &=\bm{\sqrt{(S-a)(S-b)(S-c)(S-d)}} \end{align*}

である。

研究

ブラーマグプタの公式

 結果が非常に美しい。公式としてまとめておこう。

ブラーマグプタの公式
辺の長さがそれぞれ a , b , c , d である円に内接する四角形の面積 S は、
  2s = a + b + c + d
とおいたとき、

\[ S = \sqrt{(s-a)(s-b)(s-c)(s-d)} \]

で与えられる。

 公式の形はヘロンの公式に非常に似ているので、覚えやすいもの。
 教科書には載っていないので、これを公式として利用するのはあまりよくないのかもしれないが、検算や、時間がないときには威力を発揮する公式である。
 なお、2002年の滋賀医大でもブラーマグプタの公式に関する問題が出題されている。

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