傾きとして見る [2009 上智大・2/5文系]

問題

 実数 x , y が x2 + y2 = 1 を満たすとき、
  \displaystyle k = \frac{y - 4 }{x - 7}
の最小値は \dfrac{\fbox{\hskip1em\rule{0pt}{1ex}}}{\fbox{\hskip1em\rule{0pt}{1ex}}} であり、最大値は \dfrac{\fbox{\hskip1em\rule{0pt}{1ex}}}{\fbox{\hskip1em\rule{0pt}{1ex}}} である。

イズミの解答への道

 数式だけで行こうとすると、非常に難しい問題。しかし、与えられた条件は円。では図形的に見れば k は何を表しているのでしょうか? 展開してみると、
  y – 4 = k ( x – 7 )
となります。ここでピンとくるように練習しておきましょう。

解答

 \displaystyle k = \frac{y - 4 }{x - 7}より、
  y – 4 = k ( x – 7 )  ……(a)
であり、これは座標平面上で ( 7 , 4 ) を通る傾き k の直線である。
 x , y は原点中心の半径 1 の円(これを C とする)上にあるから、円Cに接し、( 7 , 4 ) を通る2本の直線の傾きを調べればよい。

2007

 直線 (a)
  kx – y – 7k + 4 = 0
と原点の距離が 1 となるような k の値を求めればよく、それは点と直線の公式より、
  \displaystyle \frac{| -7k + 4|}{\sqrt{k^2+1}} =1
を解いて、

\begin{align*} (-7k+4)^2 = k^2 + 1 \\ 49k^2 - 56k + 16 = k^2 +1 \\ 48k^2 -56 + 15 = 0 \\ (12k-5)(4k-3) = 0 \end{align*}

より、\displaystyle k= \frac{5}{12},\frac{3}{4}
 
 以上より、k の最小値は \displaystyle \bm{\frac{5}{12}}、最大値は \displaystyle \bm{\frac{3}{4} }である。

解説

傾きとしてみる

 ここで使った手法は、次のようにまとめられます。

\displaystyle \frac{f(x)-b}{x-a} は、 y = f ( x ) 上の点と、点 ( a , b ) を結ぶ直線の傾きを表す。

類題1

 今回の問題は、 k = の形で与えられているために上の解き方に気付きやすいはずです。それでは次の例題ではどうでしょうか?

関数 \displaystyle f(x) = \frac{\sqrt{2} + \sin x}{\sqrt{2}+\cos x} を最大、最小にする x の値を求めよ。

 普通に解くと、関数を微分して最大・最小を求める問題になりますが、ここで今回の手法を用いると、次のように解答することができます。
 
【解答】
 座標の x との混同を防ぐため、問題の x を θ と置き換えて考える。

\[ f (x ) =  \frac{\sqrt{2} + \sin x}{\sqrt{2}+\cos x} =  \frac{\sin \theta - (-\sqrt{2})}{ \cos x - ( -\sqrt{2})} \]

は、座標平面上の点 ( -\sqrt{2} , \sqrt{2})と単位円上の点 ( cos θ , sin θ )結ぶ直線の傾きである。
 単位円 x2 + y2 = 1 上の点 ( cosθ, sinθ ) における接線は、
   x cosθ + y sinθ = 1
であり、これが、 ( -\sqrt{2} , \sqrt{2}) を通るので、代入して整理すると、

\begin{align*} \cos \theta + \sin \theta &= - \frac{1}{\sqrt{2}} \\ \sqrt{2} \left\{ \sin \left(\theta + \frac{\pi}{4} \right) \right\} &= - \frac{1}{\sqrt{2}} \\ \sin \left(\theta + \frac{\pi}{4} \right) &= -\frac{1}{2} \end{align*}

となり、これを解くと、

\begin{align*} \theta + \frac{\pi}{4} &= \frac{7}{6} \pi + 2n\pi , \frac{11}{6} \pi + 2 n \pi \\ \theta &= \frac{11}{12} \pi + 2n\pi , \frac{19}{12}\pi + 2n\pi \end{align*}

となる。図を考えると、前者が傾きの最大値となり、後者が最小値となることがわかる。最後にθをxに直して、
  最大値を与える x は、\displaystyle x = \bm{\frac{11}{12}\pi + 2n\pi}
  最小値を与える x は、\displaystyle x = \bm{\frac{19}{12}\pi + 2n\pi}
となる。

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