#196 和と積

問題

 足し合わせても掛け合わせても同じ数になる5つの正の整数と、その数を答えなさい。

イズミの解答への道

 パズル的に解くことで小学生が解くことができる問題だが、実は大学入試の整数問題に頻出のあるテーマが隠されている。そのような意味で高校生にもチャレンジしていただきたい。

解答

 5つの数を a , b , c , d , e とするとき、条件は、
  a + b + c + d + e = abcde
となる。いま、a ≦ b ≦ c ≦ d ≦ e として考えても一般性を失わない。
 このとき、
  a + b + c + d + e ≦5e
が成り立つので、
  abcde ≦ 5e すなわち abcd ≦ 5
である。a ≦ b ≦ c ≦ d の条件より、それは、
  ( a , b , c , d ) = ( 1 , 1 , 1 , 1 ) , ( 1 , 1 , 1 , 2 ) , ( 1 , 1 , 1 , 3 ) , ( 1 , 1 , 1 , 4 ) , ( 1 , 1 , 1 , 5 ) , ( 1 , 1 , 2 , 2 )
の6通り。


  • ( a , b , c , d ) = ( 1 , 1 , 1 , 1 ) のとき
       1 + 1 + 1 + 1 + e = e
    は解なし。
  • ( a , b , c , d ) = ( 1 , 1 , 1 , 2 ) のとき
       1 + 1 + 1 + 2 + e = 2e
    を解いて、 e = 5 。
  • ( a , b , c , d ) = ( 1 , 1 , 1 , 3 ) のとき
       1 + 1 + 1 + 3 + e = 3e
    を解いて、 e = 3 。
  • ( a , b , c , d ) = ( 1 , 1 , 1 , 4 ) のとき
       1 + 1 + 1 + 4 + e = 4e
    を解いて、 e = 7/3 。 e は整数なので不適。
  • ( a , b , c , d ) = ( 1 , 1 , 1 , 5 ) のとき
       1 + 1 + 1 + 5 + e = 5e
    を解いて、 e = 2 。これは d ≦ e を満たさないので不適。
  • ( a , b , c , d ) = ( 1 , 1 , 2 , 2 ) のとき
       1 + 1 + 2 + 2 + e = 4e
    を解いて、 e = 2 。

 以上より、解は、 ( 1 , 1 , 1 , 2 , 5 ) のとき 10 、( 1 , 1 , 1 , 3 , 3 ) のとき 9 、 ( 1 , 1 , 2 , 2 , 2 ) のとき 10 の3通り(とその並べ替え)。

研究

一般性を失わない

 この問題のポイントは「一般性を失わない」である。今回の問題の1つ目の答えである ( 1 , 1 , 1 , 2 , 5 ) は、その順番が変わって、( 2 , 1 , 1 , 5 , 1 ) としても同じことを表している。上ではそのペアをあげているだけである。
 このように、大小関係が与えられていないが、それぞれの文字が対称的であるようなときに、あらかじめ a ≦ b ≦ c ≦ d ≦ e と大小関係を決めてしまって、もし必要なら最後にその条件を外して順番を考慮すればよいだけ、ということがある。このようなとき、大小関係をつけても「一般性を失わない」という。少し難しい大学入試では頻出のテーマであり、高校生のみなさんはぜひ勉強しておいてもらいたい。下に実際に入試に出題された問題を挙げておく。

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