第5問
以下では、a = 756 とし、 m は自然数とする。
(1) a を素因数分解すると、
a = 2ア・3イ・ ウ
である。
a の正の約数の個数は エオ 個である。
(2) が自然数となる最小の自然数 m は カキ である。が自然数となるとき、 m はある自然数 k により m = カキ k2 と表される数であり、そのときの の値は クケコ k である。
(3) 次に、自然数 k により クケコ k と表わされる数で、 11 で割った余りが 1 となる最小の k を求める。1次不定方程式
クケコ k – 11 l = 1
と解くと、となる整数解 ( k , l ) のうち k が最小のものは
k = サ , l = シスセ
である。
(4) が 11 で割ると 1 余る自然数となるとき、そのような自然数 m のなかで最小のものは ソタチツ である。
解答
アイウエオ
756 を 2 で割れるだけ割り、割れなくなったら 3 で割れるだけ割る。このように因数分解して、
a = 22・33・7
となる。
【約数の個数と和】
自然数 N が N = paqb…rc と因数分解できるとき、約数の個数は、
( a + 1 ) ( b + 1 ) … ( c + 1 )個
であり、その約数の総和は、
( 1 + p + … + pa ) ( 1 + q + … + qb ) … ( 1 + r + … + rc )
となる。
約数の個数は公式より、
( 2 + 1 ) ( 3 + 1 ) ( 1 + 1 ) = 24個である
カキ
いま、は
であるから、をかければ、は自然数となる。よって、最小の m = 21 である。
カキクケコ
この設問はよくわかりづらいが、ここでは問題文にある通りにとけばよい。実はあとで使用するのである。
m = 21k2 と表わされる数だとすれば、
となる。
ここで、 m = 21k2 は が整数になる条件である。
サシスセ
与えられた不定方程式
126k – 11l = 1
を解く。この手の不定方程式は特殊解を見つける必要があるが、簡単には見つからないので強引に作りに行く。
126・1 – 11・11 = 5 …(a)
だから、
5×126k – 5×11l = 5 …(b)
と置いて、(b) – (a) をすると、
126 ( 5k – 1 ) – 11 ( 5l – 11 ) = 0 …(c)
が成り立つ。126と11は互いに素であるから、
5k – 1 と 11 が共通因数を持つような k を求めればよい。最も小さい k は k = 9 のとき 5k – 1 = 44 となり、11と共通因数をもつ。
k = 9 とすると、(c)式より、
126 × 44 – 11 ( 5l – 11 ) = 0
を満たす l は、
5l – 11 = 126×4
であるから、 l = 103 となり、これは元の不等式を満たす。よって、 k が最も小さい解は、 k = 9 , l = 103 である。
<別解>
解答の形から、kは一桁と分かっているので、小さい方から k に整数を当てはめて考える。
- k = 1 のとき、 126 – 11l = 1 を満たす整数 l は存在しない
- k = 2 のとき、 252 – 11l = 1 を満たす整数 l は存在しない
- k = 3 のとき、 378 – 11l = 1 を満たす整数 l は存在しない
- k = 4 のとき、 504 – 11l = 1 を満たす整数 l は存在しない
- k = 5 のとき、 630 – 11l = 1 を満たす整数 l は存在しない
- k = 6 のとき、 756 – 11l = 1 を満たす整数 l は存在しない
- k = 7 のとき、 882 – 11l = 1 を満たす整数 l は存在しない
- k = 8 のとき、 1008 – 11l = 1 を満たす整数 l は存在しない
- k = 9 のとき、 1134 – 11l = 1 を満たす整数 l は、l =103 である。
以上より、求める k = 9 , l = 103 と分かる。
ソタチツ
クケコの設問により、が整数となるためには、m = 21k2 が必要であった。よって、いま m = 21k2 とおく。
この前提で、同様に 11 で割った時に 1 余るという条件から式を立てると、
となり、 m = 21k2 より、であるから、
126k – 11l = 1
となる。
この不定方程式の解のうち、 k が最も小さくなるものは k = 9 であったから、題意を満たす m は、
m = 21k2 = 21×92 = 1701
である。
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