2020年 センター数学IA 第3問[1]

 次の  ア  ,  イ  に当てはまるものを、次の ⓪ ~ ③ のうちから一つずつ選べ。ただし、解答の順序は問わない。

 正しい記述は  ア  イ  である。

⓪ 1枚のコインを投げる試行を5回繰り返すとき、少なくとも1回は表が出る確率を p とすると、 p > 0.95 である。

① 袋の中に赤球と白球が合わせて8個入っている。球を1個取り出し、色を調べてから袋に戻す試行を行う。この試行を5回繰り返したところ赤球が3回出た。したがって。1回の試行で赤球が出る確率は 35 である。

② 箱の中に「い」と書かれたカードが1枚、「ろ」と書かれたカードが2枚、「は」と書かれたカードが2枚の合計5枚のカードが入っている。同時に2枚のカードを取り出すとき、書かれた文字が異なる確率は45 である。

③ コインの面をみて「オモテ(表)」または「ウラ(裏)」とだけ発言するロボットが2体ある。ただし、どちらのロボットも出た面に対して正しく発言する確率が0.9、正しく発言しない確率が0.1であり、これら2体は互いに影響されることなく発言するものとする。いま、ある人が1枚のコインを投げる。出た面を見た2体が、ともに「オモテ」と発言したときに、実際に表が出ている確率を p とすると、 p ≦ 0.9 である。

解答

アイ

 1つずつ確認していきます。

⓪ 余事象で考えます。
 5回すべてで裏が出る確率は、 \displaystyle \left( \frac{1}{2} \right)^5 = \frac{1}{32} = 0.03\cdotsとなるので、
 1度でも表が出る確率は、 1 – 0.03… = 0.96… > 0 となるので、これは正解。

① 袋の中の8個の球のうち、赤球が n 個、白球が m 個とする(n , m はいずれも正の整数で、 n + m = 8 )と、
 1回の試行で赤球が出る確率は nn + m = n8 である。
 これが 35 と一致するならば、
  n8 = 35
より、
  5n = 24
となるが、これを満たす整数 n は存在しない。よってこの記述は間違い。

※5回繰り返して3回出たからといって、 3/5 ではないよ、という意味です。
※厳密には背理法のような考え方を使って解いていますが、今の時点ではこの解答ではそこまで細かく書きません。

② これも余事象を考えます。
 5枚のカードから2枚のカードを引く方法は、5C2 = 10 通り。
 そのうち同じカードが出るペアは、「ろ」と「ろ」、「は」と「は」の2通り。よって、8通りは異なるカードが出る。
 すなわち、その確率は 810 = 45 より、この記述は正しい。

③ 表が出ているときに、2つのロボットがどちらも正しく発言して「オモテ」という確率は
  0.9×0.9 = 0.81
であり、裏が出ているときに、2つのロボットがどちらも間違って発言して「オモテ」という確率は
  0.1×0.1 = 0.01
である。
 よって、「オモテ」と発言したときに、本当に表が出ている確率は
  p = 0.810.81+0.01 > 0.9
 であるから、この記述は間違いである。

 よって、答えは⓪と②

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