問題
数列 { an } は、初項 a1 が 0 であり、 n = 1 , 2 , 3 , … のときに次の漸化式を満たすものとする。
an+1 = n + 3n + 1 { 3an + 3n+1 – ( n + 1 )( n + 2 ) }……①
(1) a2 = ア である。
(2) bn = an3n(n+1)(n+2) とおき、数列 { bn } の一般項を求めよう。
{ bn } の 初項 b1 は イ である。①の両辺を 3n+1( n + 2 )( n + 3 ) で割ると
bn+1 = bn + ウ ( n + エ ) ( n + オ ) – ( 1 カ )n+1
を得る。ただし、 エ < オ とする。
したがって
bn+1 – bn = ( キ n + エ – キ n + オ ) – ( 1 カ )n+1
である。
n を2以上の自然数とするとき
( キ n + エ – キ n + オ ) = 1 ク ( n – ケ n + コ )
( 1 カ )n+1 = サ シ – ス セ ( 1 カ )n
が成り立つことを利用すると
bn = n – ソ タ ( n + チ ) + ス セ ( 1 カ )n
が得られる。これは n = 1 のときも成り立つ。
(3) (2)により、 { an } の一般項は
an = ツ n-テ ( n2 – ト ) + ( n + ナ ) ( n + ニ ) ヌ
で与えられる。ただし、 ナ < ニ とする。
このことから、すべての自然数 n について、 an は整数となることがわかる。
(4) k を自然数とする。 a3k , a3k+1 , a3k+2 を3で割った余りはそれぞれ ネ , ノ , ハ である。また、 { an } の初項から第2020項までの和を3で割った余りは ヒ である。
解答
アイ
与えられた式に n = 1 を代入して、
a2 = 42 { 32 – 2・3 } = 6
同様に、n = 1 を代入すると、 a1 = 0 なので、
b1 = 0
ウエオカ
問題文の指示通り、丁寧に割り算をすると、
となる。
キ
真ん中の項を部分分数分解して整理すると、
(※)
となる。
クケコ
定番の問題。書き下すとわかりやすいです。
サシスセ
こちらは等比数列の和の公式。初項1/9、公比1/3の等比数列の和(項数 n – 1 )です。
ソタチ
これらの結果を利用して、(※)式を辺々足すと、
となる。
ツテトナニヌ
改めて、
となる。(第2項は連続する2数は偶数なので、それを2で割った数も整数となる。)
ネノハ
第1項は明らかに 3 の倍数( n = 1 のときも、 1 – 4 = -3 より3の倍数となっている)なので、第2項を3で割ったあまりが幾つになるのかを確認する。
n = 3k のときは、3の倍数が含まれない。実際に見てみると、
12(3k+1)(3k+2) = 9 × k(k+1)2 + 1 となり、余りは1である。
n = 3k + 1 , 3k + 2 のとき
n + 1 , n + 2 のいずれかが3の倍数となることから、これらを3で割った余りは 0 となる。
よって、答えは順に、 1 , 0 , 0 である。
※マーク式の試験なので、
・a1 = 0 (3で割った余りは0)
・a2 = 6 (3で割った余りは0)
・a3 = 53 ( 18 + 27 – 12 ) = 55 (3で割った余りは1)
という事実だけから類推して解いてしまえばよい。そうすると、途中が解けなくてもここだけは正解できる。
ヒ
3で割った余りに着目すると、
a3 = 1 , a6 = 1 , …
と3の倍数番目の項だけ余りが1になる。
a2020 までに 3 の倍数は 673 回ある(2020 ÷ 3 = 673 あまり 1)ので、余りだけを足し合わせると673となる。最後にこれを3で割った余りが答えとなる。673 ÷ 3 = 224 あまり 1 となるので、答えは 1 となる。
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