二項分布

二項分布

コインをn回投げて表が出る回数とその確率は、一つの確率分布を為します。そして、この確率分布には名前がついており、二項分布といいます。

代表的な確率分布には名前がついています。二項分布もその一つです。

いまの例は二項分布の一つの例ですが、必ずしもコインである必要はありません。二項分布を特徴付けるルールは、

  • 1回の試行で「事象A」か「事象Aでない」の2種類の事象しか起こらない
  • 各回の試行は独立である(n回目と別の回の結果に関連がない)

というものです。ですから、例えば「XさんとYさんがn回勝負をして、Xさんが勝つ回数とその確率」や、「n個の製品を作るとき不良品ができる個数とその確率」も二項分布となります。

もう少し数学的に定義しておきましょう。

■二項分布(定義)

事象Aの起こる確率が $p$ である独立な試行を $n$ 回試行したときに事象Aの起こる回数を $X$ とするとき、このような確率分布を二項分布といい、 $\bm{B(n,p)}$ と表す。

二項分布の平均と標準偏差を求めてみましょう。

二項分布 $B(n,p)$ にしたがう確率変数 $X$ の平均 $E(X)$ と分散 $V(X)$ を求めよ。

解答

k回目の試行における平均を $E(X_k)$ とすると、$E(X_k)=p$であるから、
\[ E(X)=E(X_1+X_2+\cdots+X_n)=E(X_1)+E(X_2)+\cdots+E(X_n)=np \]
である。

分散については、$V(X_k)=E(X_k^2)-\{ E(X_k) \}^2$を用いて求める。いま、$E(X_k^2)=p$であるから、
\[ V(X_k) = p-p^2 = p(1-p) \]
であり、分散の和の公式より、
\[ V(X) = V(X_1)+V(X_2)+\cdots+V(X_n) = np(1-p) \]
が成り立つ。

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