「イン・ザ・プール」/奥田英朗

 神経科医の伊良部が患者の悩みを痛快な手段で解決していくといった短編集。笑いの中に現代社会のちょっとした問題を混ぜ込んだ愉快な作品です。

 とりあえずこんな医者はいないだろうけど、患者のほうは実際にいるかもしれない、というところが恐ろしい。無茶苦茶なことを言っているようだけど、気付かないうちに患者の病気は治ってしまう。そういう意味で、この伊良部はとてもスゴイ医者なのかもしれないなぁ、いやそんなことないか。みたいなね。

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