「冷たい校舎の時は止まる」/辻村深月

 初めて読む辻村深月の作品。文庫が出ていたので買おうかとも思ったんだけど、お金もないので図書館ですが。
 ただ元々の新書版は上中下の3巻構成なのね。シツコイけど、2巻以上に分かれているのに読書メモは1回しか書け…(ry

 大概期待が大きいと、その反動であまりよい評価ができないんだけど、今回もそのパターンかもしれない。「デビュー作!」とか「終わるのが切ない」、「この仲間(登場人物)との別れがさびしい」なんていう宣伝文句が書いてあるからどんな魅力的なキャラクターが出てくるのかと思ったけど、せいぜい仲の良い高校生ぐらいの感じかな。

 まず、高校生に読んでもらいたい。二十歳過ぎてこの本を読んでも「青春っていいなぁ」「懐かしいなぁ」なんて思う程度で、もっといい青春小説はたくさんあるだろう。だけど、高校生が読むにはちょうどいい。高校生独特のいろいろな悩みや不安、友人関係がリアルに書かれていて、とても共感できると思う。キャラクターが多いからその中の誰かには共感できるのではないだろうか。まぁ、若干優等生が多いけどね。
 ちなみに僕が興味を持ったキャラクターは菅原くん。後半に描かれる菅原のエピソードだけ異様に長かったということもあるかもしれないけどね。
 
 全体をいうと、高校生時代の著者と同じ視点で物語が描かれているのかなぁ、と思った。当然高校生の話だから世界が小さいのはしょうがないけど、その割りにストーリーがただただ広がっていっていて冗長に見える部分もいくつかあった。その分キャラクターが立っているのは確かにそうなんだけどね。自分の高校生活をモデルに書いていったのかなぁと。
 
 とても良い、という評価はしないけど文章は安定していて読みやすい。一応他の本も読んでみようかな、図書館だけど。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください