砂漠と魔王、これって伊坂の2本柱なんじゃないだろうか?とちょっと穿った見方をしてしまった。この2冊を連続して読んだらそう思えてきたんですけどね。
今回の魔王は、法学部卒である伊坂幸太郎が現代社会にある危険性をストレートにぶつけた作品。最近ミステリ作家としてよく紹介されているけど、この作品はミステリではない。本来の伊坂幸太郎らしい作品だ。
とあるカリスマ性を持った人間が現れる。そうすると人はどうなるだろうか。集団心理の怖さを描く。『日本人っていうのは、1度目は大騒ぎするくせに2回目からはあまり興味がないのさ、「前もあったじゃん」って。』みたいな記述があった(正確には覚えていなくて申し訳ない)。
「憲法改正も、一度目にどうでもいい件で大騒ぎさせて、二度目は大事なことをこっそり改正しちゃえばいいんだよ」って。世の中のエライ人は多分同じようなことを考えているんじゃないかなあ、結局大衆をうまく操作した人が勝ち。その危険性に立ち向かえ。
「考えろ、考えろマクガイバー。」