「明日の子供たち」/有川浩

養護施設をテーマにした物語。

別に養護施設にいる子供は、可哀相なわけじゃない、しかし実際にハンディキャップがないわけでもない。

そのあたりの機微が上手な塩梅で描かれている素敵な作品で、途中から、章が終わるごとに泣いてしまった。

実ははじめは、ただ養護施設の現状を訴える作品なのかな、と思ったんだけど、そんなことはなくて、それだけではなくきちんとエンタメ的な作品としても成り立つような作品になっていて、いやよくまとまっていてすごい。

「県庁おもてなし課」や「空を飛ぶ」でもそうだったんだけど、取材をもとにしながらもエンタメ要素強めの作品に仕上げるのがほんとにうまい。もちろん、得意の恋愛事情を持ち込むのも忘れないし。

いい小説でした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください