主人公のオマル医師は、ある日担当した検死体が異常であることに気付く。
純粋に医学的な側面からその原因を追いつめるうちに、
それがアメリカの国民的スポーツ、アメフトにあることを突き止めてしまう。
これまた科学的正義心からこの事実を発表するや否や、世間から批判されてしまう。
それもそのはず、NFLはアメリカにとってもはや経済の一部なのだ。
NFLがチームを持っているから救われている町があり、人がいる。
NFLは大勢の命を救っている、そのNFLを失墜させることで、大勢の命が失われてもよいのか。
しかし、オマル医師はあくまで医師である。主張は崩れない。
それでも、アメフトに危険があるのだとすれば、そのことを伝えなければならないと、主張を続ける。
真実に基づいて作られているだけあり、本当に苦しい場面が続く。
最後の最後まで、オマル医師の主張は認められない。
真実を伝えるとは、実に苦しい。
劇中で語られる「未来がどう思うか」という言葉は、私もよく思うことだ。
つまり、誰がどう事実を曲げようとも、真実は曲がらない。
そして、近い将来、正しい事実が分かった時に、
その事実を隠そうと画策した人間が、どのように評価されるか、どのように語り継がれるか。
自分自身はオマル意志のように、素直に、強い意志で生きていきたいと思った。